宇宙開発には熱いファンが多い。日本の中核機関・宇宙航空研究開発機構には、研究開発に資金を寄付したいとの声もしばしば来るという◆心強い限りだが、世間的には、すぐに役に立たない科学分野と見られがちで、政府内でいつも予算削減を迫られている。資金不足で頓挫する研究も多い◆今週、同機構が、誰でも手軽に寄付することができる仕組みをスタートさせた。インターネットやクレジットカードを使い1000円単位で時間や場所を問わず手続きできる◆従来も寄付はできた。2008年度から3年間で47件計約5320万円という実績もある。が、手続きが面倒で、関係者からの寄付が主だ。新方式で拡大を期待する◆対象事業は全部で10。14年打ち上げを目標に開発中の小惑星探査機「はやぶさ2」や有人宇宙船の研究、国際宇宙ステーションの実験、少ない燃料で飛ぶ旅客機研究など幅広い。どれかを選んでの寄付もできる◆研究者や技術者への応援となろう。