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  • NASA、新型ロケットの初打ち上げ延期 - トランプ氏要請の有人月飛行は断念

    米国航空宇宙局(NASA)は5月12日(現地時間)、新型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」の初飛行で、宇宙飛行士を乗せて月を往復するという案について、実施しないことを決定したと明らかにした。これはトランプ政権からの要請を受けて検討していたもので、主にコスト増加が理由だという。 NASAは当初の予定どおり、初打ち上げは無人で行い、その後有人での月飛行を実施する考えだが、ロケットや宇宙船の開発が遅れていることから、これらの実施時期も数カ月から年単位で遅れる見通しだという。 NASAの新型ロケット「スペース・ローンチ・システム」と新型宇宙船「オライオンNASAは現在、2020年代に月へ、そして30年代に火星への有人飛行を目指して、超大型ロケット「スペース・ローンチ・システム」(SLS)と、長期の宇宙航行に耐えられる新型宇宙船「オライオン」の開発を進めている。 SLSは全長10

    NASA、新型ロケットの初打ち上げ延期 - トランプ氏要請の有人月飛行は断念
  • 日本とフランス、火星の衛星探査で協力 - 日仏の高い実績と信頼が実を結ぶ

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)とフランス国立宇宙研究センター(CNES)は4月10日、JAXAが2024年9月に打ち上げを計画している「火星衛星サンプル・リターン・ミッション」(MMX)の、検討に関する協力の実施取り決め(Implementing Arrangement)を締結した。 MMXは現在、JAXAが開発・研究を続けている探査機で、2024年に打ち上げ、火星の衛星である「フォボス」、もしくは「ダイモス」のどちらかに着陸し、砂や石などのサンプルを採取。2029年に地球に持ち帰ることを目指している。 今回の共同検討の実施取り決めにより、MMXにフランスが提供する世界一の性能をもつ観測機器や、小型の着陸機を搭載したり、火星やその衛星付近を航行するための難しい技術の提供を受けたりできる可能性が出てきた。実現すれば、MMXの探査によって得られる成果がより大きくなり、そして探査の成功をより確

    日本とフランス、火星の衛星探査で協力 - 日仏の高い実績と信頼が実を結ぶ
  • 隼はふたたび飛び立った - 「ファルコン9」ロケット、再使用打ち上げに成功

    米国の宇宙企業スペースXは3月31日(日時間)、通信衛星「SES-10」を搭載した「ファルコン9」ロケットの打ち上げに成功した。このロケットは昨年4月に一度打ち上げ、回収されたもので、ファルコン9にとって初の「再使用打ち上げ」となった。同社は今後、ロケットの再使用打ち上げを続け、1回あたり100億円前後とされる打ち上げコストの大幅な低減を目指す。 ロケットは日時間3月31日7月27分(米東部夏時間3月30日18時27分)、フロリダ州にある米国航空宇宙局(NASA)ケネディ宇宙センターの第39A発射台から離昇した。 ロケットの第1段、は2016年4月に飛行したものを回収し、再使用した「中古」の機体だった。しかし、スペースXはこの機体を「Flight proven Falcon 9 (成功が約束されたファルコン9)」と呼んでおり、その言葉どおりの問題なく順調に飛行。第2段と分離後はふたたび

    隼はふたたび飛び立った - 「ファルコン9」ロケット、再使用打ち上げに成功
  • SS-520ロケット4号機現地取材 - 射点で機体が公開、世界最小の衛星打ち上げロケットが姿を現す!

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月11日、SS-520ロケット4号機を内之浦宇宙空間観測所から打ち上げる。前々日となる9日にはロケットの機体がプレスに公開され、目の前で見ることができた。H-IIA/Bやイプシロンなど大きなロケットの場合、射場でこれほど近くで見る機会はなく、いかにも観測ロケットであるSS-520ならではだ。 わずか10m弱の衛星打ち上げロケット SS-520は、固体燃料の2段式観測ロケットである。直径は52cmで、長さは10m弱。重量は2.6tだ。衛星を地球周回軌道に投入する能力はないものの、140kgのペイロードを約800kmの高度まで打ち上げることが可能で、天体物理学の観測や、上層大気の研究などに利用できる。これまでに2機を打ち上げた実績がある。 観測ロケットであるので、宇宙空間まで行っても、普通は地球を回らずにそのまま落ちてくる。しかし今回の4号機では、第3段を新

    SS-520ロケット4号機現地取材 - 射点で機体が公開、世界最小の衛星打ち上げロケットが姿を現す!
  • イプシロンロケット2号機現地取材 - 衛星の愛称は「あらせ」、宇宙の嵐に突入して論争の決着を目指す

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月20日20時、イプシロンロケット2号機の打ち上げを実施、搭載したジオスペース探査衛星(ERG)の軌道への投入に成功した。衛星の状態は正常。同日、内之浦宇宙空間観測所において開催された記者会見において、ERGの愛称が「あらせ」に決まったことが明らかにされた。 打ち上げ後、ロケットは正常に飛行を続け、計画通り、13分27秒後に衛星を分離した。同日20時37分にチリのサンチアゴ局で衛星からの信号を受信。太陽電池パドルの展開が正常に行われたことを確認したという。「あらせ」は今後、1カ月のクリティカルフェーズ、2カ月の初期運用フェーズを経て、定常観測に移行する予定。 「あらせ」という愛称は、以下の2つに由来するという。ひとつは、水が激しく波立ちながら流れている川のことを表す「荒瀬」という言葉。ERGが観測に挑むヴァン・アレン帯は、荒々しい高エネルギー粒子に満ち

    イプシロンロケット2号機現地取材 - 衛星の愛称は「あらせ」、宇宙の嵐に突入して論争の決着を目指す
  • イプシロンロケット2号機現地取材 - 打ち上げは成功、星空の中に消えたイプシロンの様子をレポート!

    イプシロンの夜間の打ち上げは初。過去に遡ってみると、M-Vロケット3号機で火星探査機「のぞみ」(PLANET-B)を打ち上げたのが深夜3時12分だった。内之浦から衛星用ロケットを夜間に打ち上げるのは、1998年以来、実に18年ぶりということになる。 事前の天気予報がかなり悪かったため、10秒で雲に突っ込むと思っていたのだが、晴れたおかげで、かなり長い時間、ロケットの飛行を見ることができた。第2段の燃焼が終了した5分くらいまで、ロケットの場所がハッキリと分かった。

    イプシロンロケット2号機現地取材 - 打ち上げは成功、星空の中に消えたイプシロンの様子をレポート!
  • もうすぐ打ち上げの強化型イプシロン、デザインに込められた想いとは?

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月24日、イプシロンロケット2号機に関する記者説明会を開催し、初号機(試験機)からの変更点や、現在の状況などについて説明した。イプシロンの打ち上げは、2013年9月以来、約3年ぶり。ジオスペース探査衛星「ERG」を搭載し、12月20日に内之浦宇宙空間観測所より打ち上げられる予定だ。 強化型イプシロンとは? イプシロンロケットは、全段固体の3段式ロケットである。第1段としてH-IIAロケットの固体ロケットブースタ(SRB-A)を採用することで低コスト化を実現。大きな特徴は、「モバイル管制」「自律点検」といった新技術を搭載したことで、これにより、ロケットの打ち上げシステム全体をシンプル・コンパクトにすることを目指す。

    もうすぐ打ち上げの強化型イプシロン、デザインに込められた想いとは?
  • イプシロンロケット2号機現地取材 - 初の強化型の打ち上げまでもうすぐ! 気になる最新情報をチェック

    イプシロンは、全段固体燃料の3段式ロケットだ。打ち上げはまだ2回目であるが、2号機では「強化型」と呼ばれる追加開発が行われており、この仕様での打ち上げは今回が初めてとなる。初号機と強化型との違いについては、すでにまとめた記事があるので、詳しくはそちらの記事を参照して欲しい。 【レポート】もうすぐ打ち上げの強化型イプシロン、デザインに込められた想いとは? 打ち上げの時刻は12月20日の20時ちょうど。ウィンドウは20時00分~21時00分となっているため、当日の状況次第では、その範囲内で打ち上げがずれ込む可能性がある。以下のWebサイトではライブ中継も行われる予定なので、チェックしてみてはいかがだろうか。 JAXA 特設サイト NVS 宇宙科学チャンネル 現地の日の天候は晴れ。12月にしては暖かく、過ごしやすい気候だった。ただ、問題は打ち上げ当日の天気だ。JAXAが発表している気象情報によ

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  • NASAの月探査機LRO、アポロ計画やソ連の月探査機が着陸した場所を特定

    米国航空宇宙局(NASA)の月探査機「ルナー・リコネサンス・オービター」(LRO)の運用チームは12月7日、アポロ計画の着陸船や無人探査機が、月面に着陸・衝突した場所の正確な座標を特定したと発表した。論文は「Icarus」誌の2017年2月号に掲載される。 研究を行ったのはアリゾナ州立大学を中心とする、LROに搭載されているカメラ「LROC」の運用チームで、2009年から2015年までの間に集められた画像と、ほかの観測機器などの情報を統合し、±15mの範囲で緯度と経度を特定することに成功したという。 今回特定されたのは、アポロ計画の「アポロ11」から「アポロ17」までの着陸地点(月降下段が残されている)や、月面に残された観測装置や探査車をはじめ、アポロ以前に打ち上げられた月探査機「サーヴェイヤー」、ソヴィエト連邦が打ち上げた「ルナー17」などの探査機や無人探査車、中国の月探査機「嫦娥三号」

    NASAの月探査機LRO、アポロ計画やソ連の月探査機が着陸した場所を特定
  • 2021年月への旅 - NASA、アポロ計画以来となる有人月飛行計画「EM-2」

    米国航空宇宙局(NASA)は12月2日(現地時間)、2021年の実施を目指している有人月飛行計画「EM-2」(Exploration Mission-2)の、最新の検討案を発表した。 この計画は、最大4人の宇宙飛行士が乗った宇宙船を打ち上げ、月の裏側を通って帰還する約8日間にわたるミッションで、実現すれば1972年に終了したアポロ計画以来、約半世紀ぶりの有人月飛行となる。 NASAはかねてより新型宇宙船「オライオン」と新型ロケット「スペース・ローンチ・システム」の開発を進めており、オライオンは2014年に無人での飛行試験にも成功。今後も開発が順調に進み、このEM-2が成功すれば、2030年代の実現を目指す有人火星飛行に向けた大きな一歩にもなる。 稿では、約半世紀ぶりの有人月飛行にして火星への旅路の一里塚にもなるEM-2が、いったいどのような計画なのかについてみていきたい。 火星への旅路

    2021年月への旅 - NASA、アポロ計画以来となる有人月飛行計画「EM-2」
  • 中国が宇宙ステーションをもつ日(1) 6回目の有人飛行に成功した「神舟」宇宙船

    今回の成功で、神舟宇宙船による有人飛行は6回目、そのうち宇宙ステーション試験機への滞在は3回目となり、中国の有人宇宙開発が着実に進んでいることが示された。 天宮二号はまだ宇宙を飛び続けており、2017年4月には新型の無人補給船「天舟一号」が打ち上げられ、ドッキングや燃料の補給といった複雑な試験を行うことを予定している。 有人宇宙船と宇宙ステーション試験機の打ち上げ、軌道上でのドッキング、宇宙での長期滞在、そして物資や燃料の補給。10年以上もかけてこうした技術を積み上げてきた中国が次に狙うのは、格的な宇宙ステーションの建造と運用である。 有人宇宙船「神舟」 「神舟」は中国が開発した有人宇宙船で、今回で11機目、宇宙飛行士が乗った状態では6機目の飛行となった。また2013年に行われた前号機「神舟十号」の飛行からは、約3年ぶりとなった。 神舟宇宙船というと、ロシアの宇宙船「ソユーズ」に似ている

    中国が宇宙ステーションをもつ日(1) 6回目の有人飛行に成功した「神舟」宇宙船
  • JAXAが世界最小の衛星用ロケットを開発 - 今年度中に内之浦から打ち上げへ

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月22日、今年度中の打ち上げを予定している「SS-520」ロケット4号機について記者説明会を開催した。同機は、全長9.54m、直径0.52mの3段式ロケット。3Uサイズの超小型衛星「TRICOM-1」を低軌道に投入する予定で、これに成功すれば、世界最小の衛星打ち上げロケットとなる。 SS-520ロケットは来、弾道飛行を行う2段式の観測ロケットである。燃料は2段とも、固体燃料(ブタジエン系コンポジット)を使用。第1段に搭載された尾翼で機体をスピンさせ、姿勢を安定して飛行する。140kgのペイロードを約800kmの高度まで打ち上げる能力があり、これまでに2回(1998年と2000年)使用されたことがある(※)。 ※3回目の打ち上げなのに「4号機」になっているのは、すでに別の計画で「3号機」があるため 4号機は、既存の第2段の上に、新規開発の第3段を追加。

    JAXAが世界最小の衛星用ロケットを開発 - 今年度中に内之浦から打ち上げへ
  • ヴァン・アレン帯に突入せよ! JAXA「ジオスペース探査衛星」(ERG)のすべて

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月15日、JAXA宇宙科学研究所(ISAS)が中心となって開発した「ジオスペース探査衛星」(ERG)を搭載した「イプシロン」ロケットの2号機を、2016年12月20日に打ち上げると発表した。 ERGが探査するのは、地球周辺の宇宙空間(ジオスペース)のなかで、最もエネルギーの高い電子が存在する「ヴァン・アレン帯」という場所である。このヴァン・アレン帯が発見されてから半世紀以上が経つものの、まだその詳しい仕組みなどはわかっていない。 ERGによって、発見以来からのヴァン・アレン帯の謎を解き明かすと共に、ヴァン・アレン帯の状態を正確に予想する仕組みを確立することで、私たちの生活や将来の人類の宇宙活動の安全を守ることにも役立つと期待されている。 今回は、謎多きヴァン・アレン帯と、その中へ向けて果敢に挑もうとしているERGについて紹介したい。 地球を取り囲むヴァ

    ヴァン・アレン帯に突入せよ! JAXA「ジオスペース探査衛星」(ERG)のすべて
  • 2016年国際航空宇宙展 - 古河電池は「はやぶさ」などに搭載の宇宙用電池を展示、海外企業も多数出展

    10月12日から15日にかけて、東京ビッグサイトにおいて開催された「2016年国際航空宇宙展」。国内外から合わせて792もの航空・宇宙関連企業や団体が出展し、過去最大、日最大規模での開催となった。 航空・宇宙用のバッテリーを開発している古河電池では、小惑星探査機「はやぶさ」や「はやぶさ2」、金星探査機「あかつき」に搭載されたバッテリーを展示。また海外の衛星メーカーも多数出展していた。 航空・宇宙用のバッテリーを開発している古河電池のブースでは、小惑星探査機「はやぶさ」や「はやぶさ2」、金星探査機「あかつき」に搭載されたバッテリーが展示された。 古河電池は長年、主に宇宙科学研究所の科学衛星向けに、ニッケル・カドミウム(ニッカド)電池やニッケル・水素電池を開発・提供していたが、1996年から新たにリチウムイオン電池の開発に挑んだ。リチウムイオン電池は小型・大容量で、電池そのものはもちろん、ひ

    2016年国際航空宇宙展 - 古河電池は「はやぶさ」などに搭載の宇宙用電池を展示、海外企業も多数出展
  • 彗星探査機「ロゼッタ」、運用を終えるため彗星に衝突 - 12年の探査に幕

    欧州宇宙機関(ESA)の彗星探査機「ロゼッタ」が9月30日(現地時間)、探査を行っていたチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の地表に着陸し、約12年以上にわたるミッションを完遂した。 ロゼッタは2004年に打ち上げられ、約10年かけて目的地の彗星に到着。周囲をまわりながら地表や周囲のガスを詳細に探査すると共に、搭載していた小型着陸機「フィラエ」(フィーレイ)を投下するなど、八面六臂の活躍を見せた。 ロゼッタとフィラエが集めたデータは、これからも多くの科学者によって研究されるほか、ESAでは小天体を目指す、新しい探査ミッションの検討も進んでいる。 12年と半年の大航海 ロゼッタは2004年3月に打ち上げられ、地球や火星をスウィング・バイして加速するなどし、約10年、64億kmにわたる航海を経て、2014年8月に目的地であるチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到着した。 ロゼッタには高い解像度で彗星の核

    彗星探査機「ロゼッタ」、運用を終えるため彗星に衝突 - 12年の探査に幕
  • スペースXの「ファルコン9」ロケットはなぜ爆発したのか(1) なぜロケットの試験で人工衛星をも失うことになったのか

    9月1日(日時間)、米国の宇宙企業スペースXの「ファルコン9」ロケットが、打ち上げに向けた試験中に爆発する事故が発生した。この事故によりロケットは完全に破壊され、ロケットの先端に搭載されていたイスラエルの人工衛星「アモス6」も喪失。さらに発射台も大きな被害を受けた。 9月7日現在、事故の原因や今後の影響については調査中で、はっきりとしたことはまだわかっていない。連載では、今回の事故の状況を整理、解説するとともに、原因調査や打ち上げ再開までの動きを追っていく。 何が起きたのか 「ファルコン9」ロケットはスペースXが開発した大型ロケットで、2010年から打ち上げが始まった。これまでに28機が打ち上げられており、2015年6月の19号機で失敗した以外は、順調に成功を続けていた。ただし6号機以降では機体やエンジンを大幅に改良したロケットが使われており、さらに20、22号機からは、その改良型にさ

    スペースXの「ファルコン9」ロケットはなぜ爆発したのか(1) なぜロケットの試験で人工衛星をも失うことになったのか
    iwamototuka
    iwamototuka 2016/09/09
    載せるかどうかは顧客側の選択なのか
  • 米国の次期基幹ロケット「ヴァルカン」が目指す「長寿と繁栄」(1) スペースXとロシアによって倒された米国の基幹ロケット

    世界最強の米国が誇る軍事衛星。月や火星、木星、さらに冥王星、果ては太陽系外へと飛んだNASAの探査機。そして通信や気象観測を司る実用衛星など、この約半世紀、米国から打ち上げられた宇宙機の多くは、大きく3種類のロケットに乗って宇宙へ飛び立った。「デルタ」と「アトラス」、そして「タイタン」である。 長年にわたって米国の宇宙開発を支え続けてきたこの3種のロケットは、すでにタイタンは引退したものの、デルタとアトラスはその最新型である「デルタIV」と「アトラスV」が現在も運用されている。この2機は10年以上にわたり、先代から受け継いだ米国の基幹ロケットとしての伝統を維持し続けてきたが、新興企業のスペースXが台頭したこと、ロケットに使っていたロシア製エンジンが仇となり、その地位が脅かされることになった。 そして今、起死回生をかけて次世代ロケット「ヴァルカン」の開発が始まった。米国の基幹ロケットは「長寿

    米国の次期基幹ロケット「ヴァルカン」が目指す「長寿と繁栄」(1) スペースXとロシアによって倒された米国の基幹ロケット
  • NASAの小惑星探査機「OSIRIS-REx」、9月9日打ち上げへ - 日本とも協力

    小惑星からの試料回収に挑む探査機「OSIRIS-REx」の打ち上げが間近に迫ったことを受け、米国航空宇宙局(NASA)は8月18日(日時間)、記者会見を開催した。打ち上げは9月9日の予定で、2018年に目的地の小惑星「ベンヌ」に到着。探査や試料採取を行い、2023年に地球へ帰還する、7年にわたる大航海に挑む。 OSIRIS-REx(オサイリス・レックス)は、NASAとロッキード・マーティン、アリゾナ大学などが開発した小惑星探査機で、地球に近付く軌道をもつ小惑星の1つ、ベンヌの探査を目的としている。ベンヌは1999年に発見された小惑星で、直径約500m。地上からの観測で「B型小惑星」に分類されている。B型小惑星は、炭素質のC型小惑星の一部ではあるものの、いくつか違いがあることがわかっており、似て非なるものであると考えられている。また現在のベンヌの軌道から、将来的に地球に衝突する可能性がわず

    NASAの小惑星探査機「OSIRIS-REx」、9月9日打ち上げへ - 日本とも協力
  • 米スペースX、スカパーJSATの通信衛星打ち上げに成功 - ロケット着地にも

    米国の宇宙企業スペースXは8月14日、日の衛星通信会社スカパーJSATの通信衛星「JCSAT-16」を搭載した「ファルコン9」ロケットの打ち上げに成功した。またロケットの第1段機体は大西洋のドローン船への着地にも成功、同ロケットの着地成功は6回目となった。 ロケットは日時間8月14日14時26分(米東部夏時間8月14日1時26分)、フロリダ州にあるケイプ・カナヴェラル空軍ステーションの第40発射台から離昇した。ロケットは順調に飛行し、約2分30秒後に第1段機体と第2段機体とを分離した。 第1段はその後、大西洋上に待機していたドローン船「もちろんいまもきみを愛している」号を目指して降下し、打ち上げから約8分40秒後に、船の甲板のほぼ真ん中に降り立った。船はこのあとフロリダ州の港に戻り、ロケットは陸揚げされ、検査や試験などを受けることになる。 一方、第2段も順調に飛行を続け、計2回のエンジ

    米スペースX、スカパーJSATの通信衛星打ち上げに成功 - ロケット着地にも
  • 生まれ変わる中国の宇宙開発 - 新たなロケット・宇宙船・発射場が揃い踏み(1) 次世代の主力ロケット「長征七号」

    中華人民共和国(中国)は6月25日21時00分(日時間)、南シナ海の海南島に新たに建設した「文昌衛星発射センター」から、新型ロケット「長征七号」を打ち上げた。ロケットは順調に飛行し、搭載していた新型有人宇宙船の試験機など、合計6機の人工衛星の軌道投入に成功。宇宙船の試験機は翌日、内モンゴル自治区に広がるゴビ砂漠への着陸に成功した。 新型ロケットと宇宙船、そして新しいロケット発射場と、中国は宇宙開発において三兎を追い、そしてすべて捕まえることに成功した。この事実は一体何を意味しているのか。連載では、新型ロケットと宇宙船、新しいロケット発射場がそれぞれどのようなものなのか、さらに中国の宇宙開発の現状と今後について、4回に分けて解説したい。 生まれ変わる長征ロケット これまで中国は、地球低軌道への打ち上げに適した「長征二号」、静止衛星の打ち上げに適した「長征三号」、極軌道衛星の打ち上げに適し

    生まれ変わる中国の宇宙開発 - 新たなロケット・宇宙船・発射場が揃い踏み(1) 次世代の主力ロケット「長征七号」