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哲学と美学に関するja_bra_af_cuのブックマーク (33)

  • 分析哲学批判の一つのパターンについて - #EBF6F7

    分析哲学批判の一つのパターン 分析哲学批判には一つのパターンがある。 いくつか例を挙げてこれを示そう。 山口尚による分析哲学批判は、一言で言えば分析哲学のスポーツ性を問題にしている。 この「スポーツ性」なる性質は「「手を変え、品を変え」という迂遠なやり方で何とかアプローチしてみたい」という彼の言葉どおり、記事では定式化されていない。 気になる方はぜひ直接読んでいただきたいが、この記事でもいずれスポーツ性の内実に関する記述に触れることになる――思わぬかたちで。 「スポーツ」という表現の参照元はジョン・マーティン・フィッシャーの言葉である。 私はかつてハリー・フランクファートが述べた次の不満がよく分かる。それは、彼の事例をめぐる文献はいまや「若者のスポーツ」だ、という不満である。 分析哲学のスポーツ性に対する不満はフランクファート、フィッシャー、山口に共通のもののようだ。 さらに、山口の記事に

    分析哲学批判の一つのパターンについて - #EBF6F7
  • 『判断力批判』の謎 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    カントの『判断力批判』というは主にふたつの事柄について論じている。美的判断と、自然に関する目的論的判断についてだ。 だが、ここには大きな謎がふたつある。 なぜ、『判断力批判』というタイトルので、判断一般についてではなく、このふたつの事柄を論じるのか。 特にこのふたつの事柄が選ばれた理由は何なのか。両者には何の共通性があるのか。 驚くべきことに、『判断力批判』というを読んでも(少なくとも、さらっと読んだだけだと)、この謎の答えはわからないのだ。少なくともわたしは読んでもよくわからなかったので、実は何度もこの疑問の答えを調べようと思っていた。最近改めて調べて、ようやく半分くらいはわかったので、答えをまとめておこうと思う。書いておかないと、また忘れて調べるはめになりそうなので。 ちなみに、この疑問は、実は調べ方も少し難しい。『判断力批判』では、の中でも、一部をのぞいてほとんど判断の話をし

    『判断力批判』の謎 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
  • 既刊の一部をウェブ公開します – フィルカル

    新型コロナウィルスの感染拡大に伴って、各地で外出の自粛や書店・図書館の休業・休館の動きが拡大しています。これを受け、雑誌『フィルカル』はバックナンバーのなかからいくつかの記事を期間を限定して無料で公開いたします。雑誌『フィルカル』は専門家向けの哲学専門誌としてだけではなく、哲学に興味のある方すべてに手に取って頂きたいという思いで創刊されました。この無料公開では「文化と分析哲学をつなぐ」という『フィルカル』の試みをみなさまに知っていただくために相応しいと思われる記事を編集部がセレクトしました。困難な状況ではありますが、哲学に関心を持つ方のお力になれれば幸いです。 フィルカル編集部・長門裕介

  • 分析美学者から見たポストモダニズム|obakeweb

    こんにちは、ポストモダンおちょくる芸人です。 分析vs大陸のいがみ合いが三度の飯より好きなのですが、ラウトレッジ・美学コンパニオンに「ポストモダニズム(postmodernism)」の項目があったのでかんたんに紹介。 書いているのはDavid Novitzという南アフリカ出身の美学者。描写の哲学やフィクション論で注目すべき仕事をしていた人だが、がんで若くして亡くなっている。 後で述べる通り、そこまで情報量のある論文ではないですが、英語圏の哲学・美学において、フレンチ・セオリーやポストモダニズムがどう扱われているのか関心があったため、読んでみました。 以下レジュメ。 ----------✂---------- 1.ざっくりした歴史■啓蒙思想と近代哲学(16〜17世紀) 王、教会、封建制、貴族制が支配する中世から、個人の理性が重視される近代へ。 数学や論理や実証を通して、誰でも世界について正し

    分析美学者から見たポストモダニズム|obakeweb
    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2020/04/14
    "ポストモダニズムの説明にしばしば「〜でしかない(only ~)」という表現が出てくる点" 英語でもそうなんだ
  • 発表内行為? - logical cypher scape2

    追記(20190806) twitterで色々書いたので追記 長い上に、色々紆余曲折するので、結論としては最後に引用しているakadaさんの見てください この記事だけだとうまく伝わっていないだろうけど、自分が何にそんなに引っかかっているのか改めて気付いたこととして、少なくとも自分は、発語内行為をかなり言語的なものに特有の現象だと思っていて、非言語的なものにさらっと援用・拡張できるのかと思っているのかもしれない— シノハラユウキ (@sakstyle) 2019年8月5日 しかし、ここはまあなんか難しいな。 発語内行為とされるものの中にも色々ありそう。 「主張する」とかは非言語的にもやれそう。 ただ、発語内行為の典型例と思われる「約束」とか「命名」とか「宣言」とかが言語的な現象にしかみえない— シノハラユウキ (@sakstyle) 2019年8月5日 自分の理解だと、発語内行為はかなり動詞

    発表内行為? - logical cypher scape2
  • フッサール研究会 - 第16号 (2019年3月)

    栁川耕平 フッセリアーナ第41巻を読む――1918年以降のフッサール質論―― ★★ 論文の著作権は各著者に属する。また無断転載を禁じる。 凡例 誌におけるフッサールの引用・参照は、基的に『フッサール全集』(Husserliana)にもとづく。『全集』の巻数とページ数は、それぞれ大文字ローマ数字、アラビア数字で示される。(ただし、編者による序文の引用・参照の際には、小文字ローマ数字が用いられる。)なお、Husserliana Materialien からの引用にあたっては、巻数の前に「Mat.」という略号が添えられる。 編集:鈴木崇志・栁川耕平・峯尾幸之介・佐藤駿

    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2019/03/13
    “特集「現代現象学の批判的検討」” 『ワードマップ現代現象学』の検討シンポジウムを元にした応答論文集だそう
  • 『ゲーム化する世界』について (1/3) - 9bit

    読んだ。 2011年におこなわれた日記号学会第31回大会の内容をもとにしたです。ゲームの特集号で、いろいろな論文や対談が収録されています(目次)。僕も大会では恥ずかしいかんじの発表をしたんですが、諸事情というか怠慢というかで論文は書いてません…。 日発のアカデミックな人文系のビデオゲームはいまのところ皆無といってよいので、これは非常に貴重な成果だと思います。こういうや論文がぽつぽつ出てくるようになるといいです。 こういうが出ることにかんしては手放しでめでたいんですが、内容についてはいろいろ言いたいことがあるので書いておきます。 お前論文でやれよという話ではあるんですけど、軽いノリでコメントしたいのでブログに書きます。ちゃんとした議論は、そのうちちゃんとしたかたちで出せたら出します。 3回くらいに分けます。今回コメントするのは以下の論文。 吉田寛「ビデオゲームの記号論的分析―〈ス

    『ゲーム化する世界』について (1/3) - 9bit
  • 慶應義塾大学出版会 | ビデオゲームの美学 | 松永伸司

  • あとがきたちよみ『感情の哲学』

    哲学・思想、社会学、法学、経済学、美学・芸術学、医療・福祉等、人文科学・社会科学分野を中心とした出版活動を行っています。 あとがき、はしがき、はじめに、おわりに、解説などのページをご紹介します。気軽にページをめくる感覚で、ぜひの雰囲気を感じてください。目次などの概要は「書誌情報」からもご覧いただけます。 西村清和 著 『感情の哲学 分析哲学と現象学』 →〈「序」ページ(pdfファイルへのリンク)〉 →〈目次・書誌情報はこちら〉 序 もしも感情というものがなかったとしたら、どうだろう。AIを搭載した自動車ならば、客観的に見て危険とされる事態を察知して、われわれのように恐怖に駆られてまちがってアクセルを踏んでしまうといったこともなく、あらゆる情況を想定し、最近話題のディープ・ラーニングの能力を備えたプログラムにしたがって、そのつど確実にブレーキをかけて障害物との衝突を回避できるかもしれない。

    あとがきたちよみ『感情の哲学』
  • 西村清和『感情の哲学――分析哲学と現象学』の感想 - 昆虫亀

    恩師*1、西村清和先生の最新刊、『感情の哲学――分析哲学と現象学』勁草書房、2018年。 少し前に、ご恵投賜っておりました。ようやく読みおえたので、ちょっと感想を書いておく。 美学会の元会長が、東大定年後に國學院に再就職し*2その國學院の定年直前に仕上げた*3、ということで、西村清和の(少なくともアカデミックポストにいる期間の)最終仕事、ということになるのだろう。なので「よーし西村美学の集大成か!」と期待して読んだのだが、結論からいえば、このは美学のではなかった。哲学のだ。美学は哲学の一分野なので、こういう書き方をするとちょっと変に聞こえるかもしれないが、要は、美学的な考察は最後の第七章にあるのみで、それまでの六章はバリバリの感情の哲学なのだ。詳しい目次はこちらをどうぞ。 さらにいえば、美学的な考察を行なっている第七章は、ほとんどこれまでの西村美学の焼き直しでしかない。ウォルトンや

    西村清和『感情の哲学――分析哲学と現象学』の感想 - 昆虫亀
  • なぜ今!?「エンドレスエイト」の悪夢を分析哲学で読み解く本がループまみれの奇書だった | オモコロブロス!

    ……え!? エンドレスエイトの!? 2018年に!? 『エンドレスエイトの驚愕 ハルヒ@人間原理を考える』p.389 何いってんの????? キョンくんでんわ 哲学者が書いた「エンドレスエイト」読解が出た…2018年に 『エンドレスエイトの驚愕 ハルヒ@人間原理を考える』というを読みました。2018年に出たです。 著者は三浦俊彦。東京大学文学部教授で、美学・分析哲学の専門家です。 読んでみたらハチャメチャに面白くてためになり抱腹絶倒、狂気と恐怖と謎のカタルシスすら感じるとてつもなく変なだったのでご紹介します。 エンドレスエイトって? アニメ『ポプテピピック』で、30分の前半・後半で同じ映像を繰り返していることが話題になりましたが…… もっとヤバい「繰り返し」が昔もありましたよね? そう、「エンドレスエイト」です。 アニメ『涼宮ハルヒの憂』シリーズ最大の驚愕と絶望と議論を巻き起こ

    なぜ今!?「エンドレスエイト」の悪夢を分析哲学で読み解く本がループまみれの奇書だった | オモコロブロス!
  • 清塚邦彦『フィクションの哲学 改訂版』 - logical cypher scape2

    新章が追加されたということで、取り急ぎそこの部分だけ読んだ。 フィクションの哲学 〔改訂版〕 作者:邦彦, 清塚発売日: 2017/06/24メディア: 単行 第七章 フィクションの意義と意味 この章のタイトル、目次だけ見てた時、どういうことかわかってなかったんだけど、フレーゲの「意義と意味」だった。 ウォルトンの「虚構性と想像」をうけて(参照:ケンダル・ウォルトン「フィクショナリティと想像」 - logical cypher scape2) ここでウォルトンが自己批判している問題は、ウォルトン自身は虚構性の定義に関わる問題だと考えているが、むしろ表象内容の多層性についての問題であり、ホプキンスが指摘した「分離」をより一般化した問題であると論じている。 すなわち、指定された想像の内容=作品の表象内容には、「何が表象されているか」という主題特定の要素と「いかに表象されているか」という様態特

    清塚邦彦『フィクションの哲学 改訂版』 - logical cypher scape2
  • 『フィルカルVol.1No.1』 - logical cypher scape2

    「自由論入門」(高崎 将平) 論考・論文 論考「分析哲学とモダニズム」(長田 怜) 論考「美術におけるモダニズム」(河合 大介) 論考「モダニズムの絵画はいかにして絵画を批判しうるか」(松 大輝) 論文「文化に入り行く哲学」(古田 徹也) 論考「何が可笑しいのか」(八重樫 徹) 論考「声優と表現の存在論」(佐藤 暁) 連載「生活が先、人生が後」第1回 君が望む罪悪感 コラム「沖縄で出会った独特の建物」 コラム「共有される私的記憶」 「分析哲学と文化をつなぐ」雑誌として創刊されたもの 掲載論文、大体どれも面白くて、満足度高い。 philcul 哲学への入門 「自由論入門」(高崎 将平) 文化としての分析哲学 ●特集シリーズ 論考「分析哲学とモダニズム」(長田 怜) 論考「美術におけるモダニズム」(河合 大介) 論考「モダニズムの絵画はいかにして絵画を批判しうるか」(松 大輝) 文化の分析

    『フィルカルVol.1No.1』 - logical cypher scape2
    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2016/05/15
    "この特集は、分析哲学を文化潮流の1つとして捉えるという視点を提供するもので、上の指摘に対する直接的な解答にはならないにせよ、示唆的ではあると思う"
  • Derek Matravers『フィクションと物語』のウォルトン論 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    Fiction and Narrative 今年の7月に出た。最近読んでいるが、二章のウォルトン論はいい感じなのでまとめておく。 ウォルトンは、フィクションについて、メイクビリーブ理論と呼ばれる理論を立てている。これは、子どものごっこ遊び[make-believe]をモデルに、フィクションを捉えるものだ。ただ、ウォルトンの言っていることはどこにポイントがあるのかよくわからなかったりするので、著者のまとめは啓発的だった。 まず、ごっこ遊びの場合、現実の事柄と、ごっこ(フィクション世界)の中の事柄に対応がある。例えば、泥と箱をパイとオーブンに見たてて遊ぶ場合、現実の真理は右のようなフィクション世界の真理に変換される。 現実世界の真理 フィクション世界の真理 泥のかたまりがある パイがある 箱がある オーブンがある さらに、ウォルトンによれば、こういう風に現実の真理からフィクション世界の真理に

    Derek Matravers『フィクションと物語』のウォルトン論 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2014/12/14
    "伝記や歴史を含め、物語はすべて、目の前で起こったものであるかのような想像を指図する""フィクションとノンフィクションの区別ではなく、想像を用いる表象というより根本的なカテゴリーに注目した方がいい"
  • 「分析美学は薄っぺらい」という意見について思ったいくつかのこと - 昆虫亀

    先週末に美学会(九州大学)に参加してきたんだが、そこで(相変わらず)何人かの方から「分析美学ってなんか薄っぺらいよね」的なコメントを聞いたので、akadaさんのこの記事を読み返していた。 哲学の初学者にありがちな間違い - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ 分析美学や分析哲学に対しては、一方の方々は「薄っぺらい」「深みがない」「当たり前のこと言ってるだけ」と感じ、もう一方の(とくに専門的にやってる)人たちは「議論が着実に洗練されていってるとても意義のある分野」だと感じている、というギャップがしばしば見られる。じっさい『分析美学入門』を翻訳したあとしばらく分析美学に対する批判や感想に耳をすましていたこともあって、「薄っぺらい」的な批判はたくさん聞いてきた。面と向かって直接言われたこともしばしばある。このギャップはどこから来てるんだろうか、という点は前々から気になっていた*1んだが、最近ちょ

    「分析美学は薄っぺらい」という意見について思ったいくつかのこと - 昆虫亀
    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2014/10/15
    分析哲学はマーシャルアーツ
  • 「美学におけるエリート主義の問題」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    Aesthetics For Birds: "The Problem of Elitism in Aesthetics" by Bence Nanay Bence Nanayがブログに書いていた記事。 (どうでもいいけど、英語圏のブログってゲストに記事を書いてもらうのをよくやってるけど、これあんまり日で見ないね) 前半は美学がハイブローな作品ばかり取り上げるせいで敷居が高くなってるという話。それはまあいいんだけど、後半がおもしろくて、そのせいで重要な哲学的問題が無視されているのではないかという指摘。 shipping(カップリング)の話を例にあげて、カップリング考察とか、今はこういうのが制作にも読解にも影響を与えてるんだという話をしている。さらっと紹介しているだけだが、実際これは制作者の意図とか読者の深読みがどこまで許されるかというのを考えるとおもしろい話(になりえる)と思う。 前にも書

    「美学におけるエリート主義の問題」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
  • 『分析美学入門』紹介サイト

    書誌情報 ロバート・ステッカー『分析美学入門』、森功次訳、勁草書房、2013年 ISBN978-4-326-80053-7 定価(5,700円+税) ※2015年12月に増刷がかかり2刷が出ました。 ※2018年3月に3刷が出ました。 ※2020年7月に4刷が出ました。 ※2022年1月に電子版が出ました。 ※2023年1月に5刷が出ました。 原著はRobert Stecker. Aesthetics and the Philosophy of Art: An Introduction, 2nd edition. Roman & Littlefield Publishers. 2010. ※一時販売が中止していたKindle版も発売が再開されました(ただし残念なことに、いくつかの文字化けは修正されていないようですが)。 目次 各節のタイトルまで記した詳細目次を公開しておきます。 pdf→詳

    『分析美学入門』紹介サイト
  • 音楽哲学論考 : 2013年、音楽書まとめ —音楽美学、音楽の哲学入門書ガイド—

    2013年12月28日09:00 カテゴリ 2013年、音楽書まとめ —音楽美学、音楽の哲学入門書ガイド— 当は今年、このブログで1ヶ月に1回くらいのペースで、新刊書を紹介していきたかったんですが、紹介するほど自分の関心のある分野のが多くなく(笑)、来年は、4半期に1回くらいのペースで紹介していこうかなあ、と思ってます。どうなるかは分かりませんが。 で、このエントリーなんですが、全部2013年に出版された、というわけではなく、2013年にわたしが買った・読んだのリストになってます。 あと、自分のためのデータベースというか。個人的な「音楽と哲学」ていう問題との付き合いを申し上げますと。実は音楽学とか、音楽美学とかを読み始めたのは割と最近、ここ1、2年くらいでして。音楽学という言葉を知ったのも去年ですし、音楽美学と音楽の哲学との違いとか、そういうのを知ったのは今年なんで。ですので、あん

    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2013/12/29
    古いのとか知らないの結構あるなー
  • ロバート・ステッカー『分析美学入門』 - logical cypher scape2

    その名の通り、美学の入門書であり、複数のトピックについて基的な議論が紹介され、各章末には練習問題と参考文献が付されている。 また訳注も充実しており、時に、いわゆる分析哲学における議論の進め方についての一般的な解説とでもいうべきようなものまで書かれている。 あと、表紙のデザインがよい。 ちなみに原題は、Aesthetics and the Philosophy of Art: an Introductionであり、分析美学の名はない。「現代英語圏における美学と芸術の哲学」といった方がよりよいのかもしれない(とはいえ、近年では非英語圏でもこのスタイルでの研究があるということで、この言い方も正確ではない)。 さて、美学と芸術の哲学ということで、書も二部構成となっていて、一部が美学、二部が芸術哲学となっている。 Ch.1 はじめに 第1部 美学 Ch.2 環境美学――自然の美 Ch.3 〈美的

    ロバート・ステッカー『分析美学入門』 - logical cypher scape2
  • 『分析美学入門』解説エントリ、その4、日本語で読める分析美学2 - 昆虫亀

    『分析美学入門』解説エントリ、続きです。 今回は第7章以降のトピックで日語で読める分析美学の文献紹介をしていきます。 翻訳は相変わらずあまりないですが、日語の論考はまとめたらそれなりに数ありますね。 webから取れるものも多いです。 第7章 意味解釈と作者の意図 このトピックでは、最近『美学』に河合大介さんの論文が出ました。 河合大介(2012)「現実意図主義の暇疵」『美学』63(2), 1-12, これに関して似たような議論は、言語哲学や言語学の領域でたくさんなされてきたはずなので、そっちの領域に何かいい論文があるのかもしれません。何かあったらお知らせ下さい。 まぁ言語学に関しては最近良質の解説書が出たので、それを読むのが一番いいのかもしれません。高いけど。 アラン・クルーズ『言語における意味』片岡宏仁訳、東京電機大学出版局、2012 第8章 フィクション フィクションについては日

    『分析美学入門』解説エントリ、その4、日本語で読める分析美学2 - 昆虫亀