タイトルにある通り、センスとは何か、という本 ここでいうセンスとは、美的直観とか美的判断とかいってもいいものだと思う(本書では、直観的な(非推論的な)判断力のこと、と言っている)。 また、本書は、芸術作品と日常生活を連続的なものとして捉えている。つまり、ここでいうセンスは、芸術に対しても日常に対しても使えるもの。また、鑑賞と制作もやはり連続的なものとして捉える。同じ原理が、鑑賞にも制作にも適用できる、と。 具体的に本書で出てくる原理は、リズムで、リズムとはビートとうねりの2つから出来ているという。 この本、『勉強の哲学』『現代思想入門』とあわせて千葉の哲学三部作を成す、というものらしい。これはカントの三批判書を少々意識しているらしい。 この本は、あまり専門的な内容にならずに、読みやすい文体で書かれている。では、専門性がないかというと決してそんなことはない。哲学や美学についてほとんど何も知ら
