「サンタクロースなんて、本当はいない。あれは、お父さんとお母さんがプレゼントを買ってきてくれるのさ」幼い頃、近所や学校の友達の間で、にわかにそうした情報が流れ始め、見る間に優勢になっていった。そういえば、ウチには煙突なんてないし、夜寝るときには鍵をかけている。サンタさんは一体どこから入ってくるのだろう? 確かにおかしい。「そうか、きっと、サンタクロースなんて本当はいないんだ。今までころっとだまされてたんだ」こうして、子供はだんだん大人になっていく。サンタクロースを否定することが大人のシルシとでもいうように。しかし、サンタクロースを否定したところで、それが何になるというのだろう。「サンタクロースって、本当にいるの?」 「本当はお父さんなの?」 子どもにこう聞かれたら、何と答えたらいいだろう。私は、まだ自分に子どもができるずっと前から、決定版ともいえる答えを用意していた。 サンタクロースは、本