「われわれには案内すら届いていない」 石川知裕の選対幹部は困惑の表情を浮かべた。民主党がマニフェスト(政権公約)に盛り込んだ「米国とのFTA(自由貿易協定)締結」に対し3000人規模の反対集会が17日に音更町内で開かれるが、何の誘いもないのだ。同集会には自民党の中川昭一が「講師」として招かれている。 FTAをめぐり陣営は事態収拾に追われた。5日に政策説明会を市内で開催、11日には党北海道代表の鉢呂吉雄が十勝入りし、JAさらべつなど管内農村部を回った。鉢呂は7月24日にも管内JAを巡ったばかりで、「火消し」のために再度の十勝入りを余儀なくされた形だ。 中川を支える保守の「牙城」でもある農村票の切り崩しに自信を見せていた石川。「(FTAは)丁寧に説明すれば必ず分かってもらえる」と語るが、陣営内には不安がくすぶる。 一昨年3月に繰り上げ当選した石川にとり、前職として実績が問われる