「下痢は体の中にある細菌を出す行為だから、下痢止めで止めてはいけない」というのが、近年では「常識」として知られるようになった。 だが、こうなると、「下痢止め」のクスリという存在が、そもそも不要なんじゃないかとも思えてくる。 「下痢止めを使って良い下痢」と「下痢止めを使わないほうが良い下痢」とは、どう違うのか。 『ここ10年で、これだけ変わった! 最新医学常識99』(祥伝社黄金文庫)著者で、医療法人社団池谷医院院長の池谷敏郎先生に聞いた。 「下痢を止めてはいけないのは、ウィルスや細菌の感染が下痢の原因となっている場合。原因となるウィルスや菌を便と一緒に体外に出そうとしているのに、それを止めてしまうと、よけい具合が悪くなってしまうのです」 これは近年、よく言われるようになった下痢に関する常識。では逆に、「止めても良い下痢」はあるのだろうか。 「いわゆる『下痢止め』を使っても良い下痢は、冷えによ