「世界の警察」を標語する米国は、全世界をくまなく観測できる偵察衛星や、安全で確実な通信を実現する軍用の通信衛星、そして通信やレーダーなどの電波を傍受するための衛星など、多くの軍事衛星を地球の周囲に配備している。 しかし、それらの衛星を打ち上げているロケットが、実はロシア製のロケット・エンジンを使っていることはあまり知られていない。そしてクリミア問題に伴う米ヲ関係の悪化により、このロシア製エンジンが手に入らなくなる可能性が出てきている。 この危機を救うため、あるベンチャー企業が立ち上がった。その会社は、ネット通販でお馴染みのAmazon.comの創設者である、ジェフ・ベゾス氏によって立ち上げられたブルー・オリジンである。 アトラスVロケットとRD-180 2014年9月17日、米国のロケット運用会社ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)と、ジェフ・ベゾス氏率いるブルー・オリジンは共同