急傾斜を上り下りする「スロープカー」が、公園やお寺、個人宅と徐々にその数を増やしています。モノレールにも似たこの乗りもの、なぜ導入が増えているのでしょうか。もともとのアイディアが生まれたのは、ある意外な場所でした。 エレベーターのようなモノレール? JR京浜東北線と東京メトロ南北線、都電荒川線が接続する東京都北区の王子駅前に、桜の名所として知られる飛鳥山公園があります。標高25mほどの小高い丘全体が公園となっているのですが、ふもとの駅付近から丘の上までモノレールの線路が敷かれており、その上を小さな車両が上り下りしています。 拡大画像 王子駅付近から飛鳥山の上までを結ぶ「あすかパークレール」。車両の愛称は「アスカルゴ」(あばさー撮影)。 「あすかパークレール」の愛称を持つこの乗りものは、2009(平成21)年に国土交通省からの交付金を活用して設置されました。運賃は無料。車両愛称である「アスカ