浅田真央さんの本を書くことになった。 これは、真央さん本人を初め、さまざまな方々のご協力のもとにスタートした企画である。 もともとは、出版社の編集者の方(ここでは仮にAさんとする)が、ぼくのもとを訪ねてきてくれたことがきっかけだった。Aさんは、今年初め、後にベストセラーとなるぼくの著書『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(以下『もしドラ』)がまだ出たばかりの頃に、「これは素晴らしい本だ」と評価してくださり、「これに類する本をうちでも書いてくれないか」という提案を携えられ、会いにきてくれた。 しかしながら、ぼくはこれを丁重にお断りした。なぜなら、『もしドラ』に類する本は書かないと、もうすでに決めていたからだ。同時に、次に出す本は「自分が興味のあることを取りあげたドキュメンタリーにしたい」という思いもあった。だから、そのことを率直に申しあげると、Aさんは、