ちらほらと見ごろが訪れはじめた紅葉の季節。色づいた葉が秋晴れの空に映える様は、何度見ても美しいものです。ところで、野山で紅葉を観賞することは、なぜ「紅葉狩り」とよばれるのでしょうか。見るだけなのに「狩り」という理由を、『新明解国語辞典』『大辞林』などの出版で知られる三省堂に聞いてみました。 なお、※印の部分は、出典元の書籍を後述しました 秋といえばこれ 「紅葉狩り」はどうして「狩り」というのか ―― そもそも、紅葉はなぜ「モミジ」というのでしょうか? 三省堂 辞書出版部 山本さん(以下、山本さん): 「紅葉・黄葉する」(※1)という意味の古語「もみつ」に由来するといわれます。「動詞『もみつ』の連用形が名詞化したもので、奈良時代は『もみち』と清音だった」(※2)そうです。「もみ出す」や「もみ出づ」を語源とする説もありますが、動詞「もみつ」からの派生とすると、これは成り立ちがたいものです。ただ