「消滅危機言語」として近い将来に消滅する恐れが指摘されている沖縄県や鹿児島県・奄美群島の島のことばを、家庭の中で大人から子どもに伝えてほしいと、言語研究者や島の人々らが協力し、島のことばを使った絵本の出版計画を進めている。絵本は4作品で、沖縄県・八重山諸島の与那国島、竹富島、宮古諸島の多良間(たらま)島と、奄美群島の沖永良部(おきのえらぶ)島でそれぞれの島に伝わる民話や民謡を題材にして各地のことばでつづった。絵本の読み聞かせを通して親子で親しみながら、島のことばを継承してもらうのが狙いだ。【鈴木玲子】 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は2009年、話者が極めて少なく、いま何もしなければ今世紀中に失われる恐れのある「消滅危機言語」が世界で約2500言語あると発表した。日本からは、アイヌや八丈島(東京都)のほか、奄美や沖縄本島中南部、沖縄本島北部の国頭(くにがみ)地方、宮古島、八重山諸島、与那