今や「不眠」は、日本人の5人に一人が抱えている悩みだ(ファクトシート参照)。しかし、それほど身近な問題であるにもかかわらず、睡眠にまつわる誤解は依然として多いことが指摘されている。 まず挙げられるのが、「8時間睡眠」へのこだわり。一般に、理想の睡眠時間として「1日8時間」という数字をよく聞くが、これに医学的根拠があるわけではない。実際、米国の大規模調査では、7時間睡眠の人が、8時間以上の人と比べて寿命が長いという結果があるくらいだ(グラフ参照)。 NHKが2000年に行った国民生活時間調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間23分。年代別では、30代が6時間57分、40代が6時間59分と、働き盛りの年代で特に睡眠時間が短いという結果が得られた。 しかし、平均睡眠時間はあくまでも一つの目安。必要な睡眠時間にはかなりの個人差があり、3〜4時間の睡眠で十分な人もいれば、10時間以上眠らな