オランダ税務当局から児童手当の「不正受給者」のぬれぎぬを着せられたクリスティー・ロンゲンさん。「(政府が間違いを認めて)お金は戻りました。でも、子供たちに幸せに過ごすべきだった日々を返してあげることはできない」と語った=オランダ中部レリースタットで2022年4月21日午後4時ごろ、岩佐淳士撮影 あなたは不正に児童手当を受け取っている――。身に覚えがないのに、ある日突然、国から「詐欺犯罪者」呼ばわりされ、多額の返金を求められる。こんなケースがオランダで相次いで起きた。返金を求められた人は約2万6000人。役所内の人為的なミスも一因とみられるが、問題がここまで拡大した背景には、人工知能(AI)を使ったシステムによる「選別」があった。【ブリュッセル岩佐淳士】 2011年、オランダ中部レリースタット。3人の子供を抱えるシングルマザー、クリスティー・ロンゲンさん(46)の自宅に、税務当局から一通の手