題名:愛することとは何か? 報告者:ダレナン 本記事は、この記事とこの記事の続きです。 この記事にてドイツの哲学者のマックス・シェーラーによって愛について検討されたとともに、この記事にて愛のものさしを音楽によって検討された。ここでは、それらをさらに拡張すべく、愛とは何か?(この記事を参照)という考えから、さらに一歩進んで、愛するとは何か?について筆者なりの独自の検討をしたい。そのため、やや個人的な意見も含まれる可能性もあるが、そこは読者の各人の解釈にお任せしたい。 マックス・シェーラーの愛の特性をより深め、その共感に関する兆候と形式を研究したアーサー・R・ルーサーによると、愛することは、充実、あるいは、より深い関与、もしくは、浸透の方向に相互人格的存在を具体化することになりうる1)。その見解から盛下真優子氏1)は、愛の作用においてこそ、各人がそれぞれ独自的な存在として認識されると同時に、互