2018年11月に火星着陸した探査機インサイトは、2022年末にその活動を停止した。 インサイトは、これまで火星に到達した探査機のなかで、最も静寂を愛する探査機であった。ほとんど動くこともなく、ただひたすら静かに火星の声に耳を澄ませていた。 というのも、インサイトには高感度な地震計が搭載されており、火星に起きる地震の頻度や規模を観測するというのが、この着陸機のミッションであったからである。火星の声とは、すなわち、その内部で起きる地震の波のことであった(参照:第27回コラム「火星に天体が衝突した?—インサイトの静かなる活躍」)。 わざわざ地球を飛び出して、火星まで行って地震を探るというのは、一見極めて地味なようにも思える。しかし、これほど効果的に、その惑星のことを知ることができる方法を他に見出すことは難しいかもしれない。そう思いを新たにする発見があった。 その発見とは、火星の中心にある核—コ
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