不揮発性の新型メモリーはそれぞれ普及に向けた壁を乗り越えなければならない。開発メーカーが急増するSTT-MRAMは、DRAM代替を進めるには大容量化という最後の関門がある。ReRAMの最大の課題は市場の立ち上げ。NANDフラッシュメモリーとの直接対決を避ける戦略が成功のカギを握りそうだ。 STT-MRAMやReRAMといった新型不揮発性メモリーは、各種のコンピューターシステムを大きく変える潜在力を備えている。そのインパクトは大きく2つ。(1)電源を入れた瞬間に起動し、いつでも電源をオフにできる、(2)消費電力が大きく減るの2点である。 既にSSDには不揮発性のNANDフラッシュメモリーが用いられているが、ストレージだけが不揮発でも(1)の効果は薄く、(2)もHDDとの差を示せなかった注1、2)。新しい不揮発性メモリーは(1)と(2)を機器の大きな売り物にできる注3)。 注1)SSDを使うと
東芝はSTT-MRAMだけで演算と記憶を行う新しいコンピューティング・アーキテクチャを「International Electron Devices Meeting(IEDM)2013」(2013年12月9~11日、米国ワシントンD.C.)で発表した(講演番号25.4)。タイトルは「Variable Nonvolatile Memory Arrays for Adaptive Computing Systems」。 現在、多くのコンピューティング・アーキテクチャでは演算を行うCPUとデータを記憶するメモリが分離されており、メモリ自体もレジスタ・ファイル、1次キャッシュ、2次キャッシュと階層化されている。しかし、最近ではシステムの性能や消費電力を改善する上でCPU-メモリ間のデータ転送がボトルネックになりつつある。そこで、東芝はメモリそのものに演算機能を持たせ、しかも一つのメモリでレジスタ・
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く