RSA暗号の共同発明で知られるアディ・シャミア教授(イスラエル・ワイツマン科学研究所)が2017年4月、国際科学技術財団から科学技術の進歩に大きく寄与した功績に送られる日本国際賞(Japan Prize)を受賞した。 受賞会見でシャミア教授は、約40年間の研究の経緯を振り返り、最近の研究事例としてIoT(インターネット・オブ・シングズ)のセキュリティに警鐘を鳴らした。量子コンピュータによる暗号解読の可能性や、日本の研究者への期待も語った。 日本国際賞は1985年にノーベル賞並みの世界的な賞を作ろうと創設された。シャミア教授は学術分野として暗号学を確立した功績が、受賞理由となった。情報を安全に保管できる「秘密分散法」や、秘匿情報に触れることなく個人を特定する「個人識別法」の開発のほか、共通鍵暗号を解読する「差分解読法」の発見などの業績で知られる。 「秘密兵器」から「暗号学」に RSA暗号は1