米国と欧州はいまだに、2007~09年の金融危機とそれに続くユーロ圏危機による負の遺産を抱えている。この結末を、もっと優れた政策で防ぐことはできなかったのだろうか。もしできたとしたら、それはどのような政策だったと考えられるだろうか。 回復は進んでいるが、それは限られた意味においてでしかない。危機の直撃を受けた国々の国内総生産(GDP)の変化率は、ほぼすべての国でプラスに戻っている。 しかし、GDPそのものの値は、危機前のトレンドから予想できた可能性のある水準を大幅に下回ったままだ。 そして、主に生産性の伸び率が下がっていることから、成長率はほとんどの国で回復していない。ユーロ圏の場合、GDPは2015年第2四半期になっても危機前の水準を下回っていた。危機に見舞われたユーロ導入国の産出額は、危機前の水準にはまだほど遠い。これらの国々は今後、失われた10年や20年に悩まされることになるだろう。
![欧米諸国を覆う大不況の長い影 危機後の経済の落ち込みがなかなか回復しない理由 | JBpress(日本ビジネスプレス)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0cf6e7174b1a9b81208eff5d6c8bdf8e6d44916f/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fjbpress.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F1%2Fc%2F-%2Fimg_1cb238fa8810ecf7549ceab63588df5b58437.jpg)