さらに、習総書記が市場寄りの改革と金融イノベーションから離れつつあることを示す兆候も増えている。毛沢東氏以来、最も影響力を持つ指導者となった習氏は、共産党による金融セクターの「集中統一領導」を強調。欧米諸国とは全く異なる「中国の特色ある現代金融システム」の構築を打ち出している。 香港大学の陳志武教授(金融学)は、「金融セクターには政府系銀行と政府系保険会社の2種類しか存在しない新しい中国経済が近く形成されると私はみている」と指摘。「1978年以前の計画経済モードに完全に戻るわけではないが、それに近いものになるだろう。従って、中国の金融セクターはそれほど多くのプロフェッショナルを必要とせず、他の選択肢があろうとなかろうと、多くの人が他の場所で仕事を見つけなければならなくなる」と語る。 行き詰まり 国内消費者や海外投資家の信頼感が停滞し、中国経済は勢いを取り戻すのに苦労している。銀行は融資の