やや古い話だが、今年3月10日、イトーヨーカ堂が衣料品事業からの完全撤退を決めた。同社は長らく試行錯誤を繰り返しながら衣料品改革に取り組んできたが、その確かな成果を上げることができずにいた。そして親会社であるセブン&アイ・ホールディングスが、ファンドの圧力もあり、「コンビニ集中」戦略に舵を切る中、結論としてこのたびの衣料品事業からの完全撤退となった。 実は今から5年ほど前になるが、私も競合大手総合スーパー(GMS)の衣料品改革を行っていた。今回はその時の話を書きながら、GMSの衣料品についての結論を共有したい。 「魚や野菜と一緒の売場でファッションが売れるはずがない」 どでかい半円形の机を囲んで、クライアントからは取締役含め15人が、そして、こちら側からはマネジングディレクター、そして、幾人かのエキスパート(私も含めた衣料品のプロと称する人だ)が出席した。 「それで、君たちからの提案はなん