止まってしまった時計も時折、正しい時間を告げてくれる。マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長が米国大統領選挙に出馬するとの憶測は、4年に1度流れてくる。この憶測通りになることは決してない。なぜか。ブルームバーグ氏はちゃんと計算ができる人だからだ。 米国では第三の候補は勝てない。何の成果も得られずに消えていくのが普通だ。 しかし、2016年は違う。政治の世界では今、重力の法則が機能していない。 もしニューヨークの大金持ちが賭けに打って出る時があるとしたら、今をおいてほかにない。問題は、その結果何が起こるかだ。 ブルームバーグ氏の周辺の人々によれば、これは根も葉もない話ではない。「ここじゃその話題で持ちきりだ」。同氏の名を冠した通信社で働くある友人はそう教えてくれた。 三つどもえの戦いの勝算は? ニューヨーク市長を3期務めた同氏は、ドナルド・トランプ氏、ヒラリー・クリントン氏と三つどもえの