<4カ月前に指名されながらやっと米上院で認められた新大使。当初のバイデンは彼を中国に送りたがっていたのだが......> アメリカの各国駐在大使を格付けすれば、中国と日本の大使が1位と2位だろう。 今年8月に、ラーム・エマニュエル前シカゴ市長が駐日大使に、ニコラス・バーンズ元国務次官が駐中国大使に指名されたことは、2つのポストが今後の国際政治にとっていかに重要かを裏付けるものだ。 バイデン米大統領の人選はまさに絶妙だった。人選の舞台裏を知る人物によれば、バイデンは当初、エマニュエルを北京に、バーンズを東京に送りたがっていたという。 確かに気性の激しい政界の大物を駐中国大使に据えることは、中国に対抗するアメリカの本気度と強い姿勢を伝えるという意味では合理的だ。だが、今年3月にアラスカで行われた外交トップ同士の会談が激しい非難の応酬に終わったのを受けて、バイデンはアメリカで最も有能な職業外交官