ソフトバンクグループの経営の実態(19) 孫正義会長兼社長が率いるソフトバンクグループが、傘下の米ナスダック上場の特別買収目的会社「SVFインベストメント」を清算すると発表した。上場を廃止し、1月27日に業務を停止する。特別買収目的会社は「SPAC(スパック)」と呼ばれる。事業のない「空箱」を上場し、新興企業と合併させる手法で、米国の新規株式公開(IPO)ブームの火付け役だった。なぜソフトバンクグループは「手じまい」せざるをえなかったのか。 ソフトバンクグループは傘下の投資運用会社SBインベストメント・アドバイザーズを通じて、3社の特別買収目的会社を設立した。「SVFインベストメント」はその1社で、2021年1月にナスダック市場に上場した。 同社の新規株式公開の価格は1ユニット(株式と新株予約権)当たり10ドルで、5億2500万ドル(約680億円)を調達した。上場初日の終値は12ドルだった