印刷 メール 「残虐」とは 絞首刑へ元検事の問い 元検事の土本武司・筑波大学名誉教授 日本で死刑の執行方法として採用されている絞首刑は、憲法の禁じる「残虐な刑罰」にあたるのではないか――。元検事が大阪の法廷で問題提起をし、死刑論議に一石を投じた。残虐とは何なのか。 法廷で証言に立った元検事は、筑波大名誉教授で元最高検検事の土本武司。死刑を続けるかやめるかの論議では、存続派の論客として知られる。だが絞首刑については、検事時代に執行に立ち会った経験を語りつつ、「残虐な刑罰に限りなく近い」と語った。「死刑自体は違憲ではないが、絞首刑は違憲の疑いが強い」という立場だ。証言後、詳しく話を聞いた。 ■薬物注射を検討すべき 憲法は死刑自体を禁じてはいない、と土本は判断する。憲法31条に「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ」ない、とあるからだ。だが、「残虐な刑罰」を禁じた