国土奪還では厳しい戦いを強いられているウクライナが、黒海の海上戦では歴史的な戦果を収めている。艦隊を持たないにもかかわらず、無人艇(海上ドローン)や巡航ミサイルによって強大な露黒海艦隊を主要海域から撃退した。黒海経由の穀物輸出も回復基調にあり、経済面で弾みとなることが期待されている。 「海上戦力についてだけいえば、ロシアは黒海の制海権を完全に失っている」。ウクライナ民間団体「情報抵抗」の軍事アナリスト、アレクサンドル・コワレンコ(42)は断言する。露黒海艦隊の主要戦力はウクライナ南部クリミア半島の要衝セバストポリ軍港から逃れ、黒海北東部の露西部ノボロシスクに退避した。
