折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto) 11月13日のNHK杯男子シングルのフリー演技。ブルースの曲にのった高橋大輔は、さらに増した粘りとキレ、力強さのある滑りを見せ優勝を決めた。 演技構成点では5要素のうち音楽との調和と解釈などの3要素で9点台を獲得。冒頭の4回転フリップの転倒や終盤のジャンプでの回転不足を補っても余りある高得点を出したのだ。 バンクーバー五輪プレシーズンだった08年11月に右膝の手術をして以来、身体に入ったままだったボルトを除去した今年、手術後のリハビリもあった高橋は、本格的な練習を始めたのが7月からと例年より2カ月遅れの始動だった。 その頃彼は「今年は結果も出ないだろうし、崩れることもあると思う。(ソチ五輪まで)3年間で作り上げていければいいと考えている」と話していた。