全世界で12億人の信者がいるカトリックの総本山バチカンが、少年への性的虐待事件で揺れています。この問題は長らく指摘されてきましたが、法王庁など教会上層部は不祥事の発覚を恐れ、真相の解明を怠り事件を隠蔽したときびしく批判されているのです。 きっかけは2002年、ボストンの地方紙が教区司祭の性的虐待を大々的に報道したことで、アカデミー作品賞を受賞した映画『スポットライト 世紀のスクープ』でも描かれました。私はたまたまその時期にニューヨークにいましたが、連日、テレビや新聞で大きく報道されるのを見て、こんなことがあるのかと驚いたのを覚えています。 事件の背景には、カトリックの司祭が終身独身で、女性との性的交渉を禁じられていることがあるとされます。若い男性が共同生活する修道院や神学校は「ボーイズラブ」の世界で、イタリアの国際神学校では入学者の多くがゲイであることは公然の秘密だそうです。 同性愛を認め
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