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ブックマーク / reki.hatenablog.com (10)

  • 他国の領土にある「民族の精神的故郷」 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    外国にある「我々の土地」 特にユーラシア大陸の、時期によって主要民族が大きく移り変わった場所では、過去の主要居住地と現在の主要居住地が大きく異なっていることは珍しくありません。 日だと、例えば天孫降臨神話がある高天原、古都の奈良や京都といった地は、そこに例え馴染みがなくても、自分たちのルーツがある土地として、精神的な故郷と感じることができます。 幸運なことに日人の精神的故郷は国内にありますが、そうでない国もいくつもあります。仮に京都や奈良が中国大陸や朝鮮半島にあると考えたら、その感情を少しは理解できるかもしれません。 過去の民族の神話や歴史が整理し近代国家を形成する過程で、場合によってはそれを取り戻そうとする動きも高まり、戦争にまで発展したケースもあります。 1. フィンランド人の故地カレリア フィンランド人の心の故郷 カレリアは現在はロシアのレニングラード州とカレリア共和国、フィンラ

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    kechack 2022/10/27
  • 東ドイツの男性スパイ「ハニートラップ作戦」の実話 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    西側の「寂しい女性」に恋をさせ機密情報を暴露させる 通常ハニートラップと言えば、女性スパイが男性に仕掛けるものです。 セクシーな女性スパイの色仕掛けに理性を失い、機密情報を盗まれたり、破廉恥な行為をビデオで盗撮され、失脚したりクビになったりしてしまう。 しかし、冷戦時代に「もっとも成功したスパイ」はその逆で、男性が女性に対して仕掛けたハニートラップでした。 仕掛けたのは東ドイツの秘密警察シュタージ傘下の対外諜報機関「HVA」。東ドイツのイケメンを用いたその作戦は通称「ロミオ・トラップ」と呼ばれています。 1.  マルクス・ヴォルフの「ロミオ・トラップ」 シュタージはドイツ民主共和国(東ドイツ)の秘密警察で、国内外の諜報活動を統括する組織でした。主に西ドイツをはじめとした西側諸国へスパイを送ったり、秘密警察を通じて国民思想の監視を行ったりなど、東ドイツの情報セキュリティを一手に握りました。

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    kechack 2022/02/15
  • 「敵前逃亡」の罪で処刑された兵たち - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    軍紀違反で死刑になった20世紀の人物 昔から敵前逃亡は軍事の世界では重い罪でした。 最前線で戦う兵士の後方には抜刀した指揮官が控えていて、前線から逃げてきた兵士を「逃げるな!腰抜け!」と罵りぶった切った、などという話は枚挙に暇がありません。 逃亡した兵士は重い罪に問われ、捕まると死刑となることもあったのですが、この慣習は20世紀まで普通にありました。第一次世界大戦では、例えばイタリア軍では750名が処刑されています。イギリス軍では306名が軍紀違反で処刑されました。 第二次世界大戦のアメリカやカナダでも、敵前逃亡の罪で死刑になった人がいます。 1. ジョアン・デ・アルメイダ (ポルトガル)1894~1917 Photo by Ivan Pacheka ドイツ軍に逃亡しようとして捕まり射殺される ジョアン・デ・アルメイダは北部ポルト出身の23歳の兵士で、軍に召集されて1917年3月にフランド

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    kechack 2021/04/27
  • レソト王国の歴史-レソト建国から英領バストランドの成立- - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    アフリカ南部の小山岳国家の歴史 レソト王国という国をご存じでしょうか。 世界地図が好きな人はたぶん知っていると思います。南アフリカの中に埋没するようにある内陸国です。 なぜこのような小国が存在できているのか、その歴史を追っていきたいと思います。 1. 「アフリカの天井」「アフリカのスイス」 題に入る前に基的なレソト王国の知識のキャッチアップです。 レソト王国は南アフリカ共和国の領土内に取り囲まれた内陸国。国王を戴く立憲君主制の国です。 国民の大半はバンツー系のソト人で、人口は210万人。 面積は約3万平方キロメートルと、四国の約1.6倍程度の大きさ。国土の大半はドラケンスバーグ山脈の険しい山岳地帯で、最高峰は3,482メートル。これはアフリカ南部の最高峰です。それ故、レソトは「アフリカの天井」や「アフリカのスイス」などと呼ばれています。 産業は乏しく、主産業は繊維産業、農業、建設業です

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    kechack 2021/01/07
  • アメリカ風中華料理「チャプスイ」の歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    Photo by Eli Hodapp アメリカ人が考える「中華」を代表する料理 「チャプスイ」をべたことはあるでしょうか。 チャプスイは主にアメリカべられる中華料理で、青菜や根菜、肉を炒めた後に醤油ベースのスープを入れてとろみをつけ、ご飯や麺にかけたりしてべます。 格的なアジア料理が流行っているアメリカでは、チャプスイはもはや珍しい古典的な料理となっていますが、かつてアメリカ人が中国料理中国人、ひいてはアジア系とアジアのカルチャーを受け入れる上で非常に重要な役割を果たした料理であります。 1. チャプスイとはなにか チャプスイには決まった具材やべ方はありません。 野菜はチンゲン菜やもやし、たまねぎ、にんじん、シイタケなどなんでもいいし、肉も鶏肉でも豚肉でも魚でも問題ありません。かけるのも白米でも麺でも問題ないし、もちろんそのままべてもOKです。「あんかけのあんの部分だけ」

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    kechack 2020/09/15
  • 【論争】渤海国は中国・朝鮮どちらに帰属するか - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    Work by Gzhao 「海東の盛国」と讃えられた中世・北東アジアの国 7〜10世紀、現在のロシア極東・中国東北部・北朝鮮には渤海国が大いに栄えていました。 渤海国はその歴史的位置づけを巡って議論があります。 中国では「中国の地方史」という位置づけで語られますが、韓国では「朝鮮の王朝」と位置づけて語れています。 中国は渤海が中国史の一部でないと、東北部の分離を招きかねず譲れない。一方で韓国では渤海が中国史ということになると北朝鮮中国の領土であることを認めることになり絶対に認められない。 「渤海国帰属論争」は現在の政治・領土論争と直結しており、互いの民族感情を刺激するセンシティブな議論です。 1. 論争のポイント この論争は「渤海は中国の地方国家か、朝鮮の国家か」という点を明らかにしようとするもので、いくつか主要なポイントがあります。 初代国王・大祚榮(だいそえい)は中国化した靺鞨人か

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    kechack 2017/03/07
  • アメリカが外国から受けた「本土攻撃」 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    史上いくつかあった、敵国によるアメリカ土攻撃 911テロはこれまでアメリカが受けた「敵対勢力」による攻撃の中で最大のものと言っていいと思います。 大規模な被害が出たことに加え、911が新しかったのは敵対勢力に「正体がない」こと。「ここを叩けばいい」という敵の丸が存在しないのが、21世紀の戦争です。 それまで実は何回も「敵国」による土攻撃は決行されていますが、正直大した被害は出ていませんでした。 そのような歴史的経緯があったので、テロ後アメリカは今起こっていることが理解できず、これまでやってきたようにアフガンやイラクでの戦争に突入していったと言えるかもしれません。 今回はこれまでアメリカが受けた「土攻撃」」をピックアップします。 1. アンボス・ノガレスの戦い 突発的に起きた米墨間の戦闘 第一次世界大戦ではアメリカは連合国側に立って参戦していましたが、当時メキシコは中立の立場にありま

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    kechack 2016/09/22
  • 【経済】18世紀英仏を襲ったバブル経済の発生と崩壊 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    3大バブル経済の2つ「ミシシッピ・バブル」「南海泡沫事件中国株の急落に端を発し、世界経済の行く先はますます不透明さを増しています。 これまで世界経済の成長を牽引してきた中国の急ブレーキは、世界同時不況を起こす可能性すらあると噂されてすらいます。 中国の外貨準備金不足を懸念する海外投資家の中国株売りが投資家たちの間での連鎖的な中国株売却に繋がり、株価が下がるから売られ、さらにまた株価が下がり、という悪循環をもたらして大暴落に発展しました。 このような株価の暴落のシステムは現代も昔も全く変わっておらず、18世紀にフランスで起こったミシシッピ・バブルも不安感から連鎖的な株価売却に繋がり、フランスを財政破綻させてしまいました。 このミシシッピ・バブルは、チューリップ・バブル、南海泡沫事件と併せて世界3大バブル経済と言われています。 これらのバブルがなぜ起こり、破綻したかを書いていきます。 ※チ

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  • ルネサンス時代のオカルト神秘主義は何を目指したか - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    ルネサンス時代に生まれた西洋的神秘主義 「ルネサンス」は「再生」という日語訳が指す通り、 古代ギリシア・ローマ時代の古代文化の復興運動のことです。 我々もルネサンスと聞くと、ダ・ヴィンチの「モナリザ」やボッティチェリの「春」など生き生きとした人間らしい絵画を想像します。 この時代には科学分野も著しく発達。後の啓蒙主義につながり現代の学問やテクノロジーの基礎となっています。 一方で、そのような科学とは対極に位置するようなオカルトや魔術も盛んで、ガリレオが行ったような科学的アプローチとは全く異なる、神秘主義的視点から世界を捉えようという試みがなされていました。 イメージとは違って、実は当時こちらのほうが多数派だったそうです。 ルネサンス時代の魔術とはいったいどのようなものだったのでしょうか? 1. 古代の復興=ルネサンス 異教的文化 冒頭に述べた通り、ルネサンスとは古代ギリシア・ローマ時代の

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  • 【論争】マケドニア人という民族は存在するのか? - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    周辺国の下心が見え隠れする国際論争 マケドニア共和国はバルカン半島の南にある、旧ユーゴスラビア構成国。 周辺をギリシャ・アルバニア・ブルガリア・コソヴォに挟まれた内陸の国です。 様々な民族や宗教が入り乱れたバルカン半島において、 マケドニアは大国に翻弄されたまことに複雑怪奇な歩みをしており、それがゆえ未だに周辺国との摩擦が絶えません。 それが「そもそもマケドニア人は存在するのか」「マケドニアという名称は誰のものか」といった、超スーパーそもそも論。 それゆえ、なかなか第三者が深く立ち入ることができない問題でもあります。 論争その1. マケドニア人という民族は存在するのか マケドニア「うん、ぼくたちマケドニア人だよ」 ブルガリア「いやいや、そもそもオメーら、昔はブルガリア人だったじゃねーか」 ギリシャ「ちょっと待って。そもそもマケドニア人とはギリシャ人のことを指すんだよ。勝手に俺たちの名前を名

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