僕は多分、コンテンツ(あるいは「物語」)というのは、「治療薬」みたいなものだろうと思っているのです。そして、たぶん僕が「自分」でいることそのものが、「病気」なのだろうと。 人は誰でも、同一化願望のようなものがある。「みんな」と一緒いでいたい、同じでいたいという願望がある。こ れはもう、遺伝子レベルで刻み込まれた願望であって、この願望から逃れられる人間というのは一人もいないし、逃れるべきでもない。この願望がなかったら「人間」でさえいられないだろう。 だからこそ、他人と同じでない「自分」に当惑して動揺して絶望する。 だからこそ、自分と似た人間を探してみたり、他人を自分に似た人間にしようと努力したりするのだろうと。 * そういう「自分という名の病気」は、人それぞれだ。軽症の人もいれば、重症の人もいる。そして、その治療薬も、それぞれだ。 ・ 中には、全ての人間に効いて、基礎体力を増やしてくれる