様々な臓器や組織の細胞に変化する人間の新型万能細胞(iPS細胞)を使い、新薬の候補になる物質が心臓へ副作用を起こすかどうかを検査するサービスが、早ければ4月に始まる。 実施するのはバイオベンチャー企業リプロセル(本社・東京)で、iPS細胞を使って事業を起こすのは世界で初めて。ヒトiPSは、作製の公表から1年余りで実用段階に入る。 新薬は、効能や副作用を動物実験などで確かめながら、数万種類の物質から絞り込んでいく。生死にかかわる心臓への副作用が、最終段階の臨床試験で初めて分かった場合、数十億~数百億円に及ぶ開発費が無駄になりかねない。このため、早い段階で副作用を確かめる手法が求められていた。 リプロセルは昨年、サルの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を利用し、心臓への副作用を検査する技術を確立。今回はこの技術を応用した。 小さな電極60個を張り付けた皿に、iPS細胞から作った心筋細胞の塊(大きさ