先の大戦を「日本の侵略だった」とする見方を真っ向から否定した懸賞論文を発表した航空自衛隊の田母神(たもがみ)俊雄前空幕長と、論文の審査委員長で保守の論客、渡部昇一氏の共著。 どのような経緯で田母神論文が最優秀作と決まり、空幕長職の解任劇につながったのかを説明。論文内容のどこが問題視されたのかを丁寧に解き明かしながら、日本が「侵略国家ではない」ことを力説する。 両氏に共通するのは祖国を愛し、「ゆがんだ歴史認識が国を滅ぼしかねない」と危ぶんでいることだ。中でも、歴史認識についての政府見解である「村山談話」を痛烈に批判する。 田母神氏は「ゆるぎない愛国心こそが国を守る原動力だ」と訴える。文民統制や国防のあり方を考えるヒントが詰まった一冊だ。22日発売。(海竜社・1260円)