誰かがやらねばならない 福島第一原発の大事故発生から約1ヵ月半、復旧の兆しはまるで見られない。東電は事故収束への「工程表」を発表し、「今後6~9ヵ月で安定状態に戻す」としたが、内容はあまりに楽観的。原発の暴走ぶりを見ると、ただの夢物語だ。 そもそも、絶対に忘れてはならないことがある。工程表の目標を達成するには、どこかの段階で、「人間の手」による長時間の作業が必要---ということだ。 たとえば、工程表の最初の3ヵ月「ステップ1」では、放射線量を減らすため、圧力容器に窒素ガスを注入し、格納容器に水を満たすことになっているが、この過程でも、人間が現場で自ら行わねばならないことが多い。遠隔操作ロボットはすでに一部で使われているが、建屋内の高湿度でレンズが曇り、瓦礫の上を前進もできず・・・と、本格的な作業は不可能だ。 もちろんそんな環境は、ロボットだけでなく人間にも厳しい。ひどい蒸し暑さの中、ゴーグ