秘書です。 どうしてもデフレ下の増税をしたがる人のインセンティブは何なのでしょうか。 飯田泰之さんの2007年の『歴史が教えるマネーの理論』(ダイヤモンド社)で学習しましょう。 「文政改鋳の問題は武士の生活を苦しくしたことだけではありません。より重要なのが相対所得の問題です。当時の建前である士農工商システムの中で、下賤な存在である商工業者の生活水準が向上していることは、より大きな「問題」でしょう。 インフレーションとそれに刺激されての好況は、自身でビジネスを行っている者には得である一方、固定的な所得を得ている者にとっては損な結果をもたらします。 武士は苦しくなり庶民は豊かになる・・・これは当時の儒教的な階級観や道徳をベースにして考えると、「許されざるべき事態」だったのではないでしょうか。」(同書、p.162.) 「(江戸幕府には)財政再建、支配階級である武士の生活水準、市民の生活水準という