阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」 2007年3月30日 [書評]「外注される戦争」はただの傭兵論ではない シンクタンク東京財団の研究員だった菅原出君が新著を出す。「外注される戦争 民間軍事会社の正体」(草思社、税込み1680円)である。日本人ではたぶん、菅原君以外にこういう本は書けないだろう。 単なる軍事オタクが資料を集めただけの本ではない。ちゃんと足で稼いだ好ルポルタージュである。自分では戦地に行く勇気もないくせに言葉だけ勇ましい心情右翼の方々には、いい薬になるかもしれない。現実の戦場がどうマネジメントされているかをリアルに知るためにも一読をオススメしたい。 PMC(Private Military Company)とは、イラクやアフガニスタンなどの戦場で軍の物資補給を手伝ったり、正規兵ではない政府要員の警備や、警察官の訓練など雑務を請け負う民間企業である。その多くが特殊部隊な