大手広告会社、電通に勤めていた高橋まつりさん=当時(24)=らに違法な長時間労働をさせた事件で、電通が幹部社員らの追加処分を検討していることが2日、分かった。電通の山本敏博社長が産経新聞の取材に明らかにした。厚生労働省の捜査は続いているが、外部専門家による事件の検証結果を得て、捜査終了を待たずに近く公表する見込み。 電通をめぐっては、平成27年12月に過労自殺した高橋さん以外に、25年6月に男性社員=同(30)=が過労死。3年8月にも入社2年目の大嶋一郎さん=同(24)=が長時間労働を苦に自殺した。こうした過労体質は社内に広く浸透し、教訓に学ぶことはなかった。 電通は既に、労務担当の副社長ら役員5人を報酬減額処分にしている。ただ厚労省が、全国の支社を含めて幹部社員らの追加の書類送検に向けて捜査を続けているため、山本社長は「捜査については重く受け止め、外部の力を借りながら検証し調査している。