航宙船アモーレ号がH28植民恒星系を離脱してから、すでに300日以上が経過していた。 「副長、主機の調子はどうかね?」 「はっ、PPAPの出力は99.89%でほぼ安定。マイナス金利の影響で一部トランプ現象の発生が見られますが、聖地巡礼には支障のないレベルです」 「そうか。引き続き、ジカ熱を絶やさぬようアスリートファーストで頑張ってくれ」 「了解です」 「か、艦長!」 「どうした、先任通信士?」 「通信です!」 「どこからだ?」 「それが……。この周波数は、おそらく『センテンススプリング』……」 「バカな! センテンススプリングは、とうの昔にゲス不倫の影響でSMAP解散したはずだ」 「しかし、この復興城主に特有の民泊は、どう考えてもセンテンススプリングのものとしか……」 「推測はいい。すぐに確認を取りたまえ」 「り、了解。副通信士、通信だ!」 「はっ。レガシー、レガシー。こちらはH28植民恒