ライブハウスを作ると同時にバンドを始めた頃。私は自分が「女の子」になることが、恥ずかしいと思っていた。化粧なんてあんなベタベタするもん顔につけてダセェ!と本気で思っていた。だからデビューした時に、「可愛い」と言われたことも、「可愛くない」と言われたことも、とても新鮮な気持ちがした。どちらの言葉も、自分に使われる言葉なのだということをあまり認識していなかった。---「サオリさんは可愛いですよ」先日、でんぱ組の最上もがちゃんと遊んでいた。彼女はたまにひょいっと現れて、100回くらい私を褒めちぎって帰っていく。「うーん。嬉しいけど、まだ何か変な感じなんだよね、、」「何がですか?」「可愛いって言われるの。」「えー!僕はいつも言ってるじゃないですか!」確かにもがちゃんはいつも言ってくれていた。(しつこいほどに)そこで私は思い切って、もがちゃんに一つのお願いをしてみた。「あのね、私もうすぐ誕生日なんだ