米スタンフォード大に研究室を開設する中内啓光・東京大学教授=東京都港区の東大医科学研究所で、丸山博撮影 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った再生医療研究の第一人者、東京大医科学研究所の中内啓光(ひろみつ)教授(61)=幹細胞生物学=が、米スタンフォード大に年内にも研究室を開設し、3年半後に完全移籍することを毎日新聞の取材に明らかにした。中内教授は、iPS細胞を使ってブタの体内でヒトの臓器を作製することを目指すが、日本では現在、研究指針で禁じられている。政府の成長戦略の柱となっている再生医療のトップランナーの「頭脳流出」は波紋を広げそうだ。 【アメリカへの頭脳流出】ノーベル賞の南部さんの写真 研究指針については、政府の生命倫理専門調査会が今年8月、中内教授の研究を踏まえ、動物の受精卵にヒトの細胞を入れて、子宮に戻す基礎研究を条件付きで容認。5日、指針改定に向けた議論が始まる。 だが、中