「目に塩を入れて、がっとこすってまた赤くしたり・・・」、「毎日酒を飲んでました。酔っ払うためではなく、体感をあげるため、身体を熱くするために・・・」(公式パンフレットより)。俳優部として、そこまでしないと太刀打ちできないスタッフの本気に、すべてをこの映画に捧げたとは、不遇の作家・佐藤泰志の長編を原作とした『そこのみにて光輝く』で主演を務めた綾野剛のコメントだ。それほどまでに熱く、にも関わらず、慈しみのある映画の監督を務めたのは、山下敦弘さんらと同年代(で、大阪芸大の同級生)の呉美保さん。一大傑作となった本作について、映画評論家・ミルクマン斉藤氏がインタビューしました。 Profile 呉美保(お・みぽ) 1977年生まれ、三重県伊賀市出身。大阪芸術大学映像学科卒業後、大林宣彦事務所[PSC]に入社。スクリプターとして映画制作に参加しながら短編を手掛け、数々の賞を受賞。2003年にフリーラ