ニューヨーク株式市場では、先週、SNSでつながった個人投資家の大量の買い注文が市場の乱高下を引き起こし、かつてない事態だとして大きな波紋を広げました。実際に取り引きに参加した個人を取材すると、アメリカ社会に横たわる深刻な課題が背景にあることが浮かび上がって来ました。 ニューヨーク市場では、先週、業績が振るわないとされていたゲームソフトなどの小売企業「ゲームストップ」の株価が、突如、急上昇。一時、その前の週に比べて7倍以上にまで跳ね上がりました。 急上昇の原因は、個人による大量の買い注文でした。 今回、個人を結び付けたのは「ウォールストリートベッツ」と呼ばれるインターネットの掲示板でした。そこには、「ヘッジファンドやウォール街をやっつけろ」といった呼びかけが書き込まれていました。 ヘッジファンドは、さまざまな投資手法で多額の資金を運用し、利益をあげますが、特に、将来の株価の値下がりを見込んで
トランプ前米政権で棚上げになった、20ドル札のデザイン変更が復活。サキ大統領報道官は25日、20ドル札の肖像をアンドリュー・ジャクソン第7代大統領から、奴隷解放運動家の黒人女性ハリエット・タブマン氏に変更する手続きを財務省が再開すると述べた。写真は2019年6月にワシントンで撮影(2021年 ロイター/Yuri Gripas) [ワシントン 25日 ロイター] - トランプ前米政権で棚上げになった、20ドル札のデザイン変更が復活した。サキ大統領報道官は25日、20ドル札の肖像をアンドリュー・ジャクソン第7代大統領から、奴隷解放運動家の黒人女性ハリエット・タブマン氏に変更する手続きを財務省が再開すると述べた。 20ドル札の肖像をタブマン氏に変更する計画は2016年にオバマ政権(当時)が発表した。しかし、トランプ前大統領は計画を「純粋なポリティカル・コレクトネス」の事例と称し計画は延期となった
パックンは、アメリカの二大政党のうち民主党の支持者。 そのパックンが感じるアメリカ社会の分断は、「みずからの家族内の分断」にも表れていると語り始めました。 パックン 「弟は西部ワイオミング州という田舎の州で警察官、絶対共和党員です。兄弟げんかの原因になっているのがこの右左の対立なんですね。大好きな弟なんだけど、トランプ支持者であって話が通じないんです。政治ネタになるとすぐけんかになるんです。もったいないですよ、クリスマスディナーが毎回、すぐ戦場と化す!それぐらいの勢いになりますね」 「弟に『見ているチャンネルは嘘ばかりだ』と言っても、弟がそのチャンネルを見ているんですよね。弟からすると『兄貴が見ているチャンネルが嘘ばかりだ』となるんですよ。お互いの情報源が違っているんです」 「僕の世界と弟の世界がもう平行しているんです。ほとんど交差しないんです」
米ワシントンの連邦議会議事堂で、下院選挙で初当選を果たした同期議員らと談笑する共和党のマージョリー・テイラー・グリーン議員(2021年1月4日撮影)。(c)SAUL LOEB / AFP 【1月29日 AFP】米極右陰謀論「Qアノン(QAnon)」の信奉者で、昨年の連邦議会選挙で初当選した共和党のマージョリー・テイラー・グリーン(Marjorie Taylor Greene)下院議員(46)が、ソーシャルメディア上でナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長ら複数の民主党政治家の殺害を示唆する投稿に「いいね」を付けたり、扇動的なコメントをしたりしていたことが明らかになり、米政界に波紋と激しい反発が広がっている。 ジョージア州選出のグリーン氏は、大統領選で不正があったとするドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の根拠のない主張を支持している。また、銃所持の権利を熱心
ルパート・マードックが経営するフォックス・コーポレーションが所有するFoxニュースは、21世紀に入ってから視聴率を独占してきたが、2021年の最初の2週間の視聴者数は、CNNとMSNBCの両方を下回っている。この傾向は、1月6日に発生した米国議会議事堂での暴動と、トランプ大統領の弾劾以来、特に顕著になっている。 Foxニュースは過去5年間、最も視聴率が高いケーブルニュース局であり続け、2020年には過去最高の視聴率を記録した。しかし、Foxの視聴率は選挙日以降低下しており、平均視聴率は11月以前の水準に比べて約20%低下している模様だ。 2021年の最初の1週間(1月4日から1月10日まで)の視聴率は、CNNがケーブルネットワークの中で1位(1日約280万人)で、MSNBC(同230万人)が2位、Foxニュース(同170万人)は3位だった。 米議事堂が占拠された1月6日は、CNNがネットワ
上下院への乱入事件でトランプ大統領以外にも批判の矛先が向いている。テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員はその代表だ(2020年10月26日撮影、写真:代表撮影/ロイター/アフロ) 下院で弾劾訴追可決、上院でも可能性 ドナルド・トランプ米大統領は1月13日夜(日本時間14日午前)、「米議会乱入を煽動した」として下院本会議で弾劾訴追された。 米史上初となる任期中2度目の弾劾訴追だ。下院は起訴状に相当する弾劾決議案を232対197で可決した。 共和党議員の中には「弾劾に賛成したら殺すぞ」といった脅迫電話を受けた議員もいるが、10人がトランプ弾劾に賛成票を投じた。 下院の採決を受けて、上院はトランプ氏が大統領を退任する20日以降、弾劾是非の判断を下す。 出席議員の3分の2以上の賛成で有罪が決まれば、これを受けて2回目の投票が行われる。それで賛成票が過半数となれば、トランプ氏は今後一切の選挙に立
ドナルド・トランプ米大統領の支持者たちが6日午後に連邦議会の議事堂に大挙して乱入した際、大勢がその様子をスマートフォンなどで録画していた。
これでも「地滑り的勝利」ができないのか バイデン前副大統領の米大統領選勝利演説と鳴り止まない車のホンクに感涙にむせんだ向きには申し訳ないが、これが勝利といえるのだろうか。 「不正で選挙を盗んだ」と言っているのではない。コロナ禍への明らかな失政で24万人という世界最多の死者を出し、実質的に失業率25%という算定もあり、回復にはほど遠い大不況下で、本来なら民主党は「地滑り的大勝利」をして当然である。 不況の中で再選を狙った大統領は戦前のフーバーにせよ、40年前のカーターにせよ、みな大惨敗しているではないか。しかも無辜の死者24万人とは、ベトナム戦争死者の4倍以上だ。それをたった数ヶ月で失った。 そんなトランプ大統領に、薄氷を踏むような勝利しかできない民主党とバイデンなのである。「歴史的敗北」に近いのではないだろうか。
ワシントン(CNN) 米司法当局は8日、ミシガン州庁舎を襲撃してグレッチェン・ウィットマー州知事(民主党)らを拉致するテロ計画を企てたとして、13人を逮捕したと発表した。 調べによると、容疑者らは、自分たちが「米国憲法違反」と見なした複数の州政府の転覆を謀ったとされる。 ミシガン州司法長官の発表によると、容疑者13人のうち6人は誘拐の共謀罪で連邦当局に逮捕され、市民武装組織「ウルバリン・ウォッチメン」の関係者7人は州当局に逮捕された。 州当局が逮捕した7人は、司法当局者を襲撃する目的で自宅の住所を突き止めようとした疑いや、内戦を扇動する目的で暴力の脅しを謀った疑い、ミシガン州庁舎を襲撃して州知事らを誘拐する作戦を企てて訓練を行った疑いが持たれている。 ウィットマー知事は当時、新型コロナウイルスへの対応をめぐって何度も殺人の脅迫を受けるなど、極右集団から狙い撃ちにされていた。 ウィットマー知
<「保守」を標榜するトランプがなぜ戦没者を侮辱するのか、その心理を理解するのはかなり困難だが......> 人種差別反対デモが暴力を根絶できないことや、コロナ危機がややスローダウンしたことで、8月末にはトランプ大統領の支持率がやや持ち直しているという印象が広まりました。ですが、9月に入ると、今度は大統領の「戦没者侮辱発言」が報じられて、大統領への批判が高まっています。 発端は雑誌『アトランティック』が同誌のジェフリー・ゴールドバーグ編集長の署名記事として掲載した「トランプ、戦没米兵は愚か者で負け犬と発言」というコラムでした。 具体的には、2018年に第1次世界大戦の100周年にあたって、パリ郊外のアメリカ人戦没者墓地を訪問しようとしていたところ、雨が降っていたのと機嫌が悪かったことから、墓参を中止し、その際に戦没者墓地が「負け犬だらけ」だという発言があったのだそうです。 他にも同記事では、
直前のウエスタン・アンド・サザン・オープンでは、黒人男性が背後から警察官に撃たれた事件に対する抗議として、準決勝のボイコットを一時表明した。
黒人として生きるとは「自分が次の『ジョージ・フロイド』になり得る」はこちら 瑞枝・ハチェットさん(ジョージア州、会社員、44歳) なかなか子供を授からなかった両親の元に、11年越しでやっと命が宿り、生まれたのが瑞枝さんだった。千葉県出身。同級生の親と比べ少し年上だった両親に大切に育てられた。初めて触れた海外文化は母が大好きだったマイケル・ジャクソンの音楽だった。将来アメリカ人と国際結婚し、渡米するなんて、家族も自分でさえも想像したことがなかった。 そんな瑞枝さんが、軍人だった黒人の元夫と横須賀で出会い、長男を妊娠したのは21歳の時だった。両親は、まだ若かった瑞枝さんが子供を産むことに戸惑いを見せた。相手が黒人ということも不安だったかもしれないが、その当時両親が人種を口にすることはなかった。実はひっかかっていたということを、何年も経ってから知る。 長男が生まれた翌年、次男が生まれた。我が子で
米誌アトランティックは3日、ドナルド・トランプ米大統領が戦死した米兵を「負け犬」や「まぬけ」と呼び、なぜ国のために命を落とすのか意味が分からないなどと発言を重ねていたと、複数の政権関係者の話として伝えた。これについて複数の報道機関が裏付けを取ったと報道し、大統領への批判が高まるなか、トランプ氏は内容を全面否定している。 トランプ氏が戦死した米兵を嘲笑したり、戦没者墓地への訪問を嫌がったり、負傷兵について「誰も見たくない」などと発言したりしていたという内容は、最初にアトランティックが伝えた。続いて、AP通信と米紙ワシントン・ポスト、保守派フォックスニュースの記者がそれぞれ、独自に政権関係者から内容の裏付けを得たと報道した。 これに対してトランプ氏は4日の定例会見で、「この国の軍や倒れた英雄たちに否定的な発言を自分がするなど、あり得ない。軍事予算や軍人の給料を自分ほど増やした人間はいないのに」
米ウィスコンシン州ケノーシャ市で8月23日、警官に至近距離の背後から7発発砲され背中に4発を被弾したジェイコブ・ブレークさんの事件が、ティーンネイジャーの少年による乱射事件を引き起こすという、思わぬ方向に展開している。 ブレークさんの事件後、同地では大規模な抗議活動が起こっており、一部は略奪、放火や器物損壊など破壊行為に発展するなど暴動化している。デモ発生から3日目の25日夜、暴徒化した集団に対抗し、銃で武装した民兵団(民間人による護衛グループ)が、地元のカーディーラーを放火や略奪から守るため、警備に当たっていた。 午後11時45分ごろ、州を跨いだイリノイ州から民兵として参加していた17歳の少年、カイル・リッテンハウス(Kyle Rittenhouse)は、何かのはずみで持っていたライフル(AR-15*)を発射。銃弾は1人目の被害者である男性の頭部右側に当たった。(*2016年に発生した、
記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 国内で名将と称賛されても、海外では悪党扱いされているケースはままある。その1人が、79年前の真珠湾攻撃を成功させた海軍の山本五十六・連合艦隊司令長官(元帥、1884~1943年)だ。日本では理想的なリーダーの1人に挙げられてきたが、米国では日本側の最後通告が遅れたこともあって、だまし討ちの張本人として批判の対象だという。ただ6月に米国で発刊されたノンフィクション「アメリカが見た山本五十六」(原題:DEAD RECKONING 邦訳は原書房から7月に出版)は従来と違い、対米戦を避け軍備を抑止力として使おうとする山本像が描かれている。日本海軍史研究の畑野勇氏(武蔵学園記念室)に聞いた。 根強い「真珠湾だまし討ちの仕掛け人」 山本五十六に対する米国の評価が変わりつつある。これまでは「
5月25日に起きた黒人男性ジョージ・フロイド氏の死亡事件から1ヶ月半。現地アメリカでは今月9日、トランプ・タワー正面の通り(5番街)に「BLACK LIVES MATTER」の大きな文字が黄色いペンキで描かれるなど、BLM運動の勢いはまだ続いている。 幼い頃、アメリカに住んでいたライターの熊川鮎子さんは、そんなBLMに関する報道を日々目にするなかで、昔のある記憶が蘇ってきたという。それは、目の前で黒人女性が白人から差別を受けたときのこと。その時に黒人女性から言われた言葉の意味を、熊川さんは今も考え続けている。 ※以下、熊川さんによる寄稿。 黒人女性がプールに入った途端 白人の子たちが出ていった 私は80年代後半、アメリカ中西部にあるオクラホマ州で、幼稚園から小学校3年までを過ごした。オクラホマは1830年代にアメリカ東部に住んでいたネイティブアメリカンが強制移住させられた地で、いまもネイテ
<FBIと連邦機関が調査に乗り出した矢先、4人目の遺体が発見された> 人種差別に抗議するデモが広がるアメリカで、黒人男性の遺体が木から吊り下げられた状態で発見される事件が相次いでいる。5月31日以降、少なくとも4人の遺体が発見され、捜査当局はいずれも自殺との見方を示したが、拙速な判断に怒りの声が上がっている。 6月16日、テキサス州ヒューストンの北に位置するスプリングで、10代と見られる身元不明の黒人男性の遺体が小学校の駐車場で吊り下げられた状態で発見されたと、同州ハリス郡保安官事務所が発表した。同様の遺体が発見されたのは5月末以降、これで4件目だ。 折しもアメリカでは、コロナ禍のさなかにもかかわらず、5月25日にミネソタ州ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドが白人警官に首を押さえ付けられて死亡した事件をきっかけに、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事)」運動が大きなうねりとな
善意のOKサインは過去のものになる?(子供たちとシュノーケリングをする英ウィリアム王子、2014年) Justin Tallis-REUTERS <白人至上主義者たちのシンボルとして使われ出してから、OKサインに対する逆風がエスカレートしている> フロリダ州にあるテーマパーク、ユニバーサル・オーランド・リゾートのスタッフが、少女(当時6歳)と写真を撮るとき「OK」サインをして解雇された。 USAトゥデー紙によれば、「事件」は、ティフィニーとリチャードのジンガー夫妻が今年3月、同テーマパーク内のリゾートホテルで行われたキャラクター・ブレックファスト(人気キャラクターに会える朝食)に子どもと参加した時に起こった。 問題に気付いたのは母親のティファニーだ。8月になって、この時に子どもたちが人気キャラクターと一緒に撮ってもらった写真を見返しているとき、人気キャラクターの着ぐるみを着たスタッフが、「
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