菅首相が脱原発寄りの立場を強め、村上春樹のような著名人が全面的な原発批判を展開するに至って、原発推進の立場に立つ人々からの反撃も強まっている。私は原発という発電手段の馬鹿馬鹿しさを散々書いて来て、書き尽くした感があるのだが、原発推進派に対抗する意味で、改めて述べることにする。 なぜ原発はダメなのか? それは非倫理的な技術だからだ。 原発は膨大な核燃料廃棄物を作り出し、将来世代に大きな負担を残す。 原発事故は環境に大量の放射性物質を放出し、きわめて多くの人々の生命と財産を危機にさらし、社会を破壊する。 原発事故の被災者の大多数は、無過失である。過失のない人々を罰するのは社会正義にもとる行為である。 単純に特定の発電方式に由来する死者の数だけ比較して「原発が一番安全」と主張する者たちが絶えないが、これは詭弁である。人がある行動に伴うリスクを知っており、それでもなお自分の利益のためにその行動をと