知的財産戦略本部が内閣官房に設置されて久しい。そこでは、アニメやマンガ、ゲームといった日本がまだ比較的競争優位を持っていると信じられている領域について議論されてきた。しかしそれらのコンテンツは、中身そのものは日本で作られたものであっても、制作環境の中で用いられているITツールのほとんどは日本以外で開発された製品なのだ。しかもその制作環境のIT化自体も遅れている。このような状況下では、本質的な競争優位を維持できると考えること自体が土台無理だということがわかってくる。コンテンツだけを議論するのではなく、その産業を取り巻く状況そのものからボトムアップを図る必要があるのだ。 「コンテンツ」そのものしか日本製ではないという現実 私事だが、以前簡単にご報告したように、大学での活動に加えてある会社の代表に就任した。南青山にあるThinkという会社がそれだ。設立して18年にもなる会社の成長戦略を策定し、実