世界第2の経済大国・中国が、このところ「金融」の分野で世界の注目を集めています。1つはアジアの開発支援、もう1つは通貨・人民元です。中国が国際舞台で存在感を高める中で透けて見えてくるのが、“大義名分”と”お国の事情”です。中国総局の井村丈思記者が解説します。 「26か国が加わる」。鳩山元総理大臣は今月19日、記者団にこう明かしました。鳩山氏が顧問役を務めるAIIB=アジアインフラ投資銀行は、中国が主導して去年設立されたアジアのインフラ建設を支援する国際金融機関です。 加盟国は57ですが、9月末の申請期限までにいくつの国が新たに参加を希望するかが焦点になっていました。 鳩山氏の言葉どおりならば、AIIBのメンバー数は83となり、日本が主導し、同じようにアジアのインフラ建設を支援するADB=アジア開発銀行の67を上回る規模になります。これは、中国主導の国際的な金融機関の発言力が、一段と強ま