2冊目くらいに読む本 ロシアとの領土問題交渉にあたってきた外務官僚・東郷和彦が日本がかかえる3つの領土問題を解説した本だといってよいが、ノンフィクション作家である保阪正康がそれに少々のツッコミをいれる対談を入れて共著の形をとっている。 いちおう3つの領土問題を簡単に解説していることになってはいるが、領土問題にはじめてとりくもうとしているシロウトからすると、いかにもテクニカルタームが多くて、読みづらい。前に紹介した松竹伸幸の『これならわかる日本の領土紛争』(大月書店)のような本を1〜2冊読んだ後であれば、当事者の書いたものとして興奮を味わいながら読めるだろう。 不破の本と対比させながら読むと味わい倍増 そういう前提でこの本を読んだとき、やはり白眉は「北方領土」問題のところだといえる。 ぼくはこの本を不破哲三の『千島問題と平和条約』(新日本出版社、1998年)と対比させながら読んだ(および、2
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