店頭からバターが消える異常事態が続いている。国内の小売店の多くが「一日の入荷はせいぜい数個。少量パックで対応しているが、入荷当日中には売り切れる。“お一人様一個まで”の札を常に出している」(大手小売店)という。 これまで、バターの原料となる生乳の一人当たり消費量は1990年以降、毎年落ち続けていた。これを受け生産者団体は2006年度、07年度連続で減産計画を策定。いっせいに減産した。 ところが、想定外の事態が起きた。昨年来からの飼料価格の高騰で、経営を維持するためにウシに食べさせる飼料を絞る酪農家が増え、さらに昨年の猛暑でウシが体調を崩して乳量が計画以上に減ったのだ。 オーストラリアの干ばつなどによる世界的な生乳不足もこれに拍車をかけた。その結果、世界的に需給がタイトになり、生乳と乳製品の価格が高騰。従来は余剰気味だった国内製品に一気に需要が集中したのである。 ここで影響をもろにか