福島第一原子力発電所の2号機に送電線をつなぐ作業を担っているのは、東電やその子会社、原子炉メーカー、ゼネコンなどの原発関連企業社員279人。 原子炉の暴走を防ぐカギを握る作業は、時間との闘いになっている。 送電線は車両に積んだロールから垂らし、地面にはわせるように敷設する。作業員は放射能を防ぐ防護服と、チャコールフィルターを織り込んだ防護マスク、放射線量を計測する「線量計バッジ」を身に着けている。 運転手のほか、車両の前後に、障害物を排除したり、送電線を引きずりおろしたりする作業員が付く。原子炉建屋に近づくにつれ、放射性物質の量は増える。被曝量が80ミリ・シーベルトを超えると、バッジの警報が鳴る。1人が1回に従事できる作業はここまで。20人のチームに分かれ、交代で作業に当たっている。 15日に発生した4号機の火災で、作業員の多くは退避したが、50人は現場に残った。送電線の敷設に携わる作業員