俳優・高倉健(享年83)が悪性リンパ腫で死去してから5年。孤高の印象が強かった高倉の“ベール”に包まれた私生活を明かす『高倉健、その愛。』(文藝春秋刊)が発刊された。著者は高倉の死後、極秘で養子縁組をしていたことが発覚した養女・小田貴月(たか)氏。共に生活していた彼女しか知らない高倉の素顔が紹介されている。 同書では、食事や筋トレなど高倉との穏やかな日常が綴られるが、珍しく高倉が激怒したエピソードとして登場するのが、1987年の「エイズ死亡報道」である。 映画の撮影が終わるたびに次の撮影が開始するまで姿を消すことが常だった高倉だが、近しい関係者が連絡が取れなくなったことや、エイズ治療で有名な施設での目撃情報が飛び交ったことなどが重なり、「高倉健がエイズで死亡した」と報道されて大騒動になった。 同書では、高倉が当時を思い出して、〈僕はマスコミに一度殺された〉〈誰も何も確かめずに一方的に書いて