舞台には、2度と繰り返されることのない、その時しか味わえない名場面が時々生まれる。 2015年11月29日、幕張メッセのシンデレラガールズ3rdLIVE「シンデレラの舞踏会」でも、それが生まれた。 架空の存在とはいえ、1人のアイドルが、スターダムを掴んだ瞬間である。 ライブ前半戦が終わり、休憩明け1曲目の「Absolute NIne」が終り、場内が暗転。 サスペンションライトに照らされて、センターに浮かび上がったのはダンサーのシルエット。ロックの効いたハードな振り付けに、これまでとは明らかにムードの違う、キックの重低音が流れ始めた。そのあとも、本舞台の上手下手、階段の上と踊るダンサーの姿が照らされていく。 この時点で観客の多くは、次に来るであろう曲がわかっただろうが、それでも歌は始まらない。後でわかったことだけれど、このロングイントロは作曲の井上拓さんがこの日のためにリミックスしたものだっ