アルゼンチンを訪問中のオバマ大統領は24日、かつての同国の軍事政権下で弾圧にあった被害者の慰霊碑を訪れ、献花した。米政府が関与したと批判される弾圧についてオバマ氏は「我々が人権保護を叫ぶのが遅かった時、それを認める勇気が必要だ。それがここで起きた出来事だ」と話し、当時の米政府の対応の不備を認めた。 1976年3月にアルゼンチンで軍事クーデターが起きた後、軍事政権は左翼活動家らを弾圧し、日系人を含む約3万人が行方不明となったとされる。オバマ政権は今回、関連する当時の米政府の機密情報の公開に応じた。 クーデターから40年となるこの日、首都ブエノスアイレスでは弾圧の被害者を慰霊する大規模なデモがあり、参加したパブロ・ペレイラさん(42)は「米国は弾圧を推進した。オバマ氏がこの日に訪れるのは挑戦的だ」と反発した。(ブエノスアイレス=五十嵐大介)